この記事でわかること

  • マッチタイプ3種類の違いと、部分一致がインテントマッチに変わった意味
  • 同じ検索語句に複数キーワードが該当したときの優先順位
  • 広告グループを「意味の単位」で切るキーワード設計の手順
  • 月10万円・30万円・50万円以上での現実的な組み方
  • 検索語句レポートを回して除外を育てる運用
  • キーワード設計でやりがちな失敗5つ

マッチタイプは3種類になった

Google広告のキーワードには「マッチタイプ」という設定があり、登録した語に対してどこまで広く広告を出すかを決めます。現在のマッチタイプは完全一致・フレーズ一致・インテントマッチの3種類です。かつて「部分一致」と呼ばれていたものがインテントマッチという名称になっており、以前あった「絞り込み部分一致」はフレーズ一致に統合されています。

名称変更で何が変わったか:登録済みキーワードを設定し直す必要はありません。ただし「インテント(意図)マッチ」という名前が示すとおり、文字列の一致ではなく検索の意図に対して広く配信されるという性質が、以前の「部分一致」という呼び名より明確になりました。想定外の検索語句にも出るという前提で、除外キーワードの整備をセットで考える必要があります。

マッチタイプ 記法 配信範囲 主な使いどころ
完全一致 [キーワード] 同じ意味・同じ意図の検索語句 成果が確認できている中心の語
フレーズ一致 "キーワード" 同じ意味の内容を含む検索語句 中心の語から周辺へ広げるとき
インテントマッチ キーワード(記号なし) 関連する意図の検索語句まで広く 新しい需要の発掘、自動入札との併用

重要なのは、完全一致であっても「まったく同じ文字列」だけに出るわけではないという点です。表記ゆれや語順の違い、同じ意図と判断される言い換えにも配信されます。「完全一致にしておけば安心」という理解は、現在のGoogle広告では正確ではありません。どのマッチタイプを使う場合でも、実際にどんな検索語句で出ているかは検索語句レポートで確認する必要があります。

どのキーワードが使われるかの優先順位

アカウント内に似たキーワードが複数あると、「どれが使われるのか」が分からなくなります。Google広告には優先順位の考え方があり、検索語句と完全一致のキーワードが一致する場合、そのキーワードが優先されます。フレーズ一致とインテントマッチは、それより後の判断になります。

P-MAXを併用している場合:P-MAXキャンペーンと検索キャンペーンを同時に動かしている場合も、検索語句が検索キャンペーンの完全一致キーワードと一致すれば、検索キャンペーンが優先されます。一方でP-MAX側の「検索テーマ」は、フレーズ一致やインテントマッチのキーワードと同じ優先順位として扱われます。ブランド名などで意図しない重複が起きる場合は、P-MAX側でブランドの除外や除外キーワードを設定してください。

優先順位を意識した設計のコツ

  • 守りたい語は完全一致で押さえる——指名検索やCVに直結する語は、完全一致で明示的に登録しておく
  • 同じ語を複数のマッチタイプで持つのは目的がある場合だけ——管理が複雑になるため、最初は1語1マッチタイプでよい
  • 広告グループをまたいだ重複は避ける——どの広告文が出るか読めなくなり、検証の精度が落ちる

キーワード設計の4ステップ

キーワードを思いつく順に並べていくと、必ず途中で破綻します。次の順序で組んでください。

1

検索の目的でキーワードを仕分ける

集めた語を「今すぐ客」「比較検討中」「情報収集」の3層に分けます。「◯◯ 依頼」「◯◯ 業者」「◯◯ 見積もり」は今すぐ客、「◯◯ 比較」「◯◯ 相場」は比較検討、「◯◯ とは」「◯◯ やり方」は情報収集です。少額予算なら、まず今すぐ客の層だけで組みます。

情報収集層の語は、予算に余裕が出てから追加する
2

意味の単位で広告グループを切る

広告グループは「同じ広告文を見せてよい語のかたまり」です。「広告運用 代行」と「広告運用 費用」は、聞きたいことが違うため別グループにします。ここを雑に1グループへ詰め込むと、どの検索にも当たり障りのない広告文しか書けなくなり、クリック率が落ちます。

「この広告文を、このグループの全語に見せて自然か」で判断する
3

マッチタイプを段階的に割り当てる

最初から全部をインテントマッチにすると、除外が育っていない状態で無関係な検索語句に費用が出ます。確度の高い中心の語を完全一致、そこから広げたい語をフレーズ一致で置き、インテントマッチは除外キーワードをある程度整備してから足すのが安全です。

除外が空のままインテントマッチを走らせると、初月の費用が読めなくなる
4

広告文とリンク先を語に合わせる

キーワード設計は、広告文とリンク先までそろって完成します。「費用」で検索した人には料金の書かれたページ、「依頼」で検索した人には申し込み導線のあるページを出す。ここがずれていると、クリック率が良くてもCVにつながりません。

広告グループごとに、広告文の見出しにキーワードの語を入れられるか確認する

予算規模別の組み方

予算によって、現実的に管理できる構成は変わります。無理に細かく分けると、どの広告グループにもデータが溜まりません。

月間広告費 広告グループ数の目安 マッチタイプの構成 注意点
〜10万円 1〜2 完全一致中心、フレーズ一致を少数 分けすぎるとデータが溜まらない
10〜30万円 2〜4 完全一致+フレーズ一致 検索意図の層でグループを分ける
30〜50万円 4〜6 上記+インテントマッチを一部 除外リストを整備してから広げる
50万円〜 6〜 3種併用+P-MAXの併走も検討 キャンペーン間の重複を管理する

迷ったら集約する:少額予算で成果が出ないアカウントの多くは、キーワードを増やしすぎ・グループを分けすぎの状態です。1つの広告グループに月数件しかクリックがないと、良し悪しの判断ができません。「判断できる量のデータが各グループに溜まるか」を基準に、構成の細かさを決めてください。

検索語句レポートで除外を育てる

キーワード設計は、登録して終わりではありません。実際にどんな検索語句で広告が出たかを見て、除外を足していく作業が本体です。特にインテントマッチを使う場合、この運用がないと費用が漏れ続けます。

見るべき3つの観点

  • 無関係な語で費用が出ていないか——同名の別業種、無料を探している検索など
  • 成果の出ている語が完全一致で登録されているか——CVした検索語句は、明示的にキーワード化する
  • クリックはあるがCVがゼロの語が続いていないか——一定クリック数を超えたら除外を検討する

キーワード運用チェックリスト

【配信前】

  • 広告グループを検索意図の単位で分けている
  • 各グループの広告文にキーワードの語が入っている
  • 広告グループごとにリンク先を割り当てている
  • 明らかに不要な語(無料・求人・中古など)を除外に入れている

【配信開始1〜2週目】

  • 検索語句レポートを週2〜3回確認している
  • 無関係な検索語句を除外キーワードに追加した
  • 想定外に費用が寄っている語がないか見た
  • コンバージョンした検索語句を控えている

【1か月以降】

  • 成果の出た検索語句を完全一致で登録した
  • クリックが溜まってCVゼロの語を整理した
  • 除外キーワードのリストを他キャンペーンにも反映した
  • 広告グループごとのデータ量が判断に足りているか確認した

やりがちな失敗5つ

1. 全部インテントマッチで始めて除外が追いつかない

配信量は出ますが、除外リストが空の状態では無関係な検索語句にも費用が流れます。特に予算が小さいほど、初月の数万円が判断材料にならないまま消えます。広げるのは、除外を整備してからにしてください。

2. 広告グループに意味の違う語を詰め込む

「費用」「代行」「やり方」を1グループに入れると、広告文がどの検索にも中途半端になります。グループを分ける基準は語数ではなく、同じ広告文を見せて自然かどうかです。

3. 除外キーワードを1度も見直さない

除外は初期設定して終わりではなく、運用しながら育てるものです。検索のされ方は季節や世の中の動きで変わるため、3か月前の除外リストは、今の配信には足りていません。

4. 完全一致なら想定外の語には出ないと思っている

完全一致でも、同じ意図と判断される言い換えには配信されます。マッチタイプにかかわらず、実際の検索語句を見る習慣がないと、思っている配信と実際の配信がずれ続けます。

5. キーワードを増やすことを改善だと考える

成果が出ないときにキーワードを追加するのは、多くの場合逆効果です。データが分散して、どの語が効いているかがさらに分からなくなります。増やす前に、既存の語のうちどれが効いているかを確認してください。

Web広告運用代行

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「除外が追いつかない」「どの語が効いているか分からない」という状態のままでは、広告費の漏れは止まりません。LnXの広告運用代行では、アカウント構成の設計から日々の検索語句の確認・改善まで一気通貫でご支援します。現在のアカウントを拝見しての診断も可能です。

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LnXの見解

Google広告のアカウントを引き継いで最初に見るのは、キーワードの一覧ではなく除外キーワードのリストと検索語句レポートです。成果の出ていないアカウントは、ほぼ例外なくここが手つかずになっています。キーワードは何十語も登録されているのに除外は数件、という状態が非常に多く、そのぶんの費用が無関係な検索に流れ続けています。

マッチタイプの名称がインテントマッチに変わったことも、実務上は「Googleの判断に委ねる範囲が広がっている」という文脈で捉えるべきだと考えています。自動化が進むほど、人が握るべきなのは「出したくない検索を止めること」に寄っていきます。キーワードを足す作業より、除外を育てる作業のほうが成果への寄与が大きい局面が増えています。

そのうえで、少額予算の企業に必ずお伝えしているのは「構成を細かくしすぎない」ということです。広告グループを丁寧に分けた結果、どのグループも月に数クリックしかなく、良し悪しを判断できないアカウントをよく見かけます。判断できる量のデータが溜まる粒度まで集約するほうが、結果的に改善は速く進みます。LnXでは広告・LP・計測を同じ担当が見るため、キーワードごとの成果をリンク先の内容とセットで判断し、語を足すべきか、ページを直すべきかを切り分けてご提案しています。

よくある質問

Q 部分一致という名前がなくなったのですが、設定は変わったのですか?

Google広告では部分一致が「インテントマッチ」という名称になっています。管理画面上の表記が変わったもので、最も配信範囲が広いマッチタイプという位置づけ自体は変わりません。既存のキーワードを登録し直す必要もありません。ただし名称が示すとおり、文字列の一致ではなく検索の意図に対して広く配信される性質があるため、除外キーワードと検索語句レポートの運用は以前より重要になっています。

Q 少額予算ならマッチタイプは完全一致だけにすべきですか?

完全一致だけで始めるのは、無駄クリックを抑える意味では合理的です。ただし完全一致は配信量が絞られるため、キーワードの登録数が少ないとインプレッション自体がほとんど出ず、判断材料が集まらないことがあります。実務では、確度の高い数語を完全一致、そこから広げたい語をフレーズ一致に置き、インテントマッチは除外キーワードを整備してから追加する順番が扱いやすくなります。

Q 同じキーワードを複数のマッチタイプで登録してもよいですか?

登録できますし、実務では珍しくありません。Google広告では検索語句に対してどのキーワードを使うかの優先順位が決まっており、完全一致のキーワードが検索語句と一致する場合はそちらが優先されます。ただし管理が複雑になるため、まずは1語1マッチタイプで始め、検索語句レポートを見ながら必要な語だけ増やす進め方をおすすめします。

Q 検索語句レポートはどのくらいの頻度で見ればよいですか?

配信開始直後は週2〜3回、安定してきたら週1回が目安です。特にインテントマッチを使っている場合、想定していない検索語句で費用が出ていないかを早い段階で確認する必要があります。見る時間が取れない場合でも、月に一度はまとめて確認し、除外キーワードを追加する時間を確保してください。

Q キーワードは何語くらい登録すればよいですか?

語数そのものより、1つの広告グループに入れる語の意味がそろっているかが重要です。目安としては広告グループあたり5〜20語程度で、その広告グループの広告文とリンク先が全部の語に対して自然に対応している状態を保ってください。語数を増やすほど成果が出るわけではなく、意味の合わない語が混ざるほど広告文の訴求がぼやけます。

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