この記事でわかること

  • Unassignedの正確な意味と、(direct)・(other)との違い
  • GA4が流入を分類している公式ルール(ここを知ると原因が絞れる)
  • Unassignedが増える原因6つと、それぞれの直し方
  • 自社のUnassignedを30分で切り分ける手順
  • 直せない参照元をカスタムチャネルグループで救済する方法
  • 放置した場合に広告評価がどう歪むか
  • 再発を防ぐためのUTM運用ルール

Unassignedとは何か——(direct)・(other)との違い

GA4の集客レポートを開くと、チャネルの一覧に「Unassigned」という行が出ていることがあります。これは「参照元が分からなかった」という意味ではありません。Unassignedは、そのイベントデータに一致する他のチャネルルールがない場合に使用される値です(出典:デフォルト チャネル グループ|アナリティクス ヘルプ)。

つまり、参照元やメディアの情報は届いているのに、その組み合わせが用意された分類条件のどれにも当てはまらなかった状態です。ここが分かると、対処の方向が変わります。「よく分からない流入」ではなく「分類ルールに合っていないラベルが付いた流入」なので、多くはリンク側の設定を直せば解決します。

よく混同される3つの値

表示される値 意味 設定で直せるか
直接(Direct) 参照元が(direct)と完全一致し、かつメディアが(not set)または(none)。ブックマークやURL直接入力などが該当する 性質上、一定量は必ず発生する。極端に多い場合は参照元情報の欠落を疑う
Unassigned 参照元やメディアに値はあるが、どのチャネル定義にも一致しない 直せることが多い。本記事の対象
(other) 基数制限が生じている集計行に使われる値。行数の上限に達した分がまとめられる 設定ミスではない。粒度を下げるか探索レポートで確認する

上記の「直接」の条件と、(other)が基数制限による集計上の値であることは、いずれもGoogleのヘルプに定義として記載されています(出典:デフォルト チャネル グループ|アナリティクス ヘルプ)。

調査に入る前に、どのディメンションを見ているかも確認してください。GA4には「デフォルト チャネル グループ」「セッションのデフォルト チャネル グループ」「ユーザーの最初のデフォルト チャネル グループ」の3つがあり、スコープもアトリビューションモデルも異なります。流入の入口を見たいのであれば、セッションスコープのディメンションを使います。

GA4がチャネルを判定しているルール

原因を推測で潰していくと時間がかかります。判定ルールを先に押さえると、「どの条件を外しているか」から逆算できます。手動でタグ付けした流入(UTMパラメータを付けたリンク)について、主な条件を抜き出すと次のとおりです。

チャネル 割り当てられる条件(手動タグ設定の場合)
直接 参照元が「(direct)」と完全一致、かつメディアが「(not set)」または「(none)」
有料検索 参照元が検索サイトのリストに一致し、かつメディアが正規表現 ^(.*cp.*|ppc|retargeting|paid.*)$ に一致
有料ソーシャル 参照元がソーシャルサイトの正規表現リストに一致し、かつメディアが上記の有料条件に一致
オーガニック検索 参照元が検索サイトのリストに一致、またはメディアが「organic」と完全一致
オーガニック ソーシャル 参照元がソーシャルサイトの正規表現リストに一致、またはメディアが「social」「social-network」「social-media」「sm」などのいずれか
ディスプレイ メディアが「display」「banner」「expandable」「interstitial」「cpm」のいずれか
メール 参照元またはメディアが email / e-mail / e_mail / e mail のいずれか
アフィリエイト メディアが「affiliate」
参照 メディアが「referral」「app」「link」のいずれか
SMS 参照元またはメディアが「sms」と完全一致
AI アシスタント メディアが「ai-assistant」と完全一致。参照URLがAIアシスタントのリストに一致した場合、メディアが自動で「ai-assistant」に設定される

上表の条件は、Googleが公開しているデフォルトチャネルの定義に基づいています(出典:デフォルト チャネル グループ|アナリティクス ヘルプ)。チャネルの定義では大文字と小文字は区別されず、定義そのものを編集することはできません。

この表を見ると分かるとおり、「有料検索」に分類されるには参照元とメディアの両方が条件を満たす必要があります。たとえばutm_source=yahoo&utm_medium=adとしたリンクは、参照元は検索サイトのリストに一致しても、メディアが有料の正規表現に一致しないため有料検索になりません。オーガニック検索の条件(メディアが「organic」と完全一致)にも当てはまらず、結果としてUnassignedに落ちます。

Unassignedが増える原因6つと直し方

1

utm_mediumの値が判定ルールに一致していない

もっとも多い原因です。ad sponsored 広告 meta-ad のように、意味は通じるがGA4の定義に載っていない値を使っているケースです。前掲のとおり有料の条件は正規表現 ^(.*cp.*|ppc|retargeting|paid.*)$ なので、cpcppcは通りますがadは通りません。

あわせて、メディアだけ正しくても参照元が検索サイト/ソーシャルサイトのリストに載っていなければ「その他(有料)」などに落ち、意図したチャネルになりません。「意味が分かる値」ではなく「定義に載っている値」を使うのが原則です。

社内で使ってよいmediumの値を一覧化し、それ以外を禁止する
2

utm_sourceだけ付けてutm_mediumを付けていない

「どこから来たか分かればいい」と考えて?utm_source=newsletterだけを付けたリンクは、典型的なUnassigned製造機です。参照元に値が入っているため「直接」の条件(参照元が(direct)かつメディアが未設定)を満たさず、かといってメディアが無いのでどの分類条件にも当てはまりません。

UTMは source と medium をセットで付けるのが最低条件です。campaign は分析のために付けるもので、分類には直接効きません。

sourceとmediumは必ずセット。片方だけのリンクは発行しない
3

リダイレクトの過程でパラメータや参照元が落ちる

メール配信ツール、MA、SFA、短縮URL、計測用の中継ドメインを経由する流入で起きます。クリック計測のために一度別ドメインを通る構造になっており、最終的な着地URLにパラメータが引き継がれていない、あるいは参照元情報が欠落している状態です。

自社サイト側のリダイレクト設定が原因のこともあります。http→httpswwwあり・なし、末尾スラッシュの正規化などで、クエリ文字列を落とす設定になっていると、付けたはずのUTMが消えます。実機でリンクを踏み、着地したURLのアドレスバーにパラメータが残っているかを必ず目視で確認してください。

配信ツールの自動付与設定を有効にし、リダイレクト後のURLを実機で確認する
4

表記ゆれ・全角・余分な空白

チャネルの定義では大文字と小文字は区別されないため、CPCcpcは同じ扱いになります。問題になるのはそれ以外のゆれです。全角のcpc、末尾に混入した半角スペース、cpc%20のようなエンコード残り、c-p-cのような区切り文字の追加は、いずれも別の値として扱われます。

コピー&ペーストでリンクを量産している現場でよく起きます。手打ちで作らせず、URL生成の入口を1つに絞るのが唯一の再発防止策です。

スプレッドシートやURLビルダーでリンクを一元生成する
5

自動タグ設定と手動UTMの競合

Google広告は自動タグ設定(gclid)で参照元情報を渡しますが、同じリンクに手動でUTMを付けると、設定によってはどちらかが優先されて意図しない値になります。特に、広告側の最終URLにあらかじめutm_medium=bannerのような値が埋まっていると、検索広告なのにディスプレイとして分類される、といったずれが起きます。

複数媒体を横断して見たい場合でも、まずは自動タグ設定に任せ、手動UTMは自動タグが効かない媒体・面に限定するほうが事故が減ります。

媒体ごとに「自動タグか手動UTMか」を先に決めて統一する
6

アプリ内ブラウザ・QRコード・オフライン導線

SNSアプリ内のブラウザや一部のメールアプリでは、参照元が渡らないことがあります。名刺・チラシ・店頭POPのQRコードも、パラメータを付けずに発行すると「直接」またはUnassignedに紛れます。

これは不具合ではなく、そもそも情報が無いケースです。オフラインの導線については、印刷前にUTM付きのURLでQRコードを生成しておくことでしか区別できません。すでに配布済みのものは、着地ページを専用URLに分けて推定するのが現実的です。

QRコードは必ずUTM付きURLから生成する

自社のUnassignedを切り分ける手順

原因の一覧が分かったら、自社のどれに当たるかを特定します。探索レポートを使えば、30分ほどで大半は切り分けられます。

  1. 期間を直近28日に設定する:短すぎると傾向が読めず、長すぎると設定変更の前後が混ざります。
  2. 探索レポートで「セッションのデフォルト チャネル グループ」を行に置く:Unassignedのセッション数と全体に占める割合を確認します。
  3. Unassignedだけにフィルタをかけ、「セッションの参照元」「セッションのメディア」を行に追加する:ここで実際に届いている値が見えます。
  4. 値のパターンで原因を振り分ける:メディアが空欄なら原因2、見慣れない文字列なら原因1か4、参照元が配信ツールのドメインなら原因3、gclidと併存しているなら原因5です。
  5. ランディングページを追加して、導線を特定する:どの施策から来ているかが分かると、直すべきリンクが絞れます。
  6. 修正後、翌日以降のデータで再確認する:チャネルの分類はデータ取得時点のルールで決まるため、過去分は遡って直りません。

最後の点が実務上いちばん重要です。UTMを直しても、過去のUnassignedが後から正しいチャネルに振り替わることはありません。修正日を記録し、前後比較のときに「この日より前のデータは分類が違う」と分かるようにしておいてください。計測の変更履歴を残していないと、半年後に数字を読み違えます。

直せない参照元はカスタムチャネルグループで救済する

配信ツールのドメインや、社内システム経由の遷移など、リンク側を直せないケースもあります。その場合は、デフォルトのチャネル定義に手を入れるのではなく、カスタムチャネルグループを作って分類します。

デフォルトチャネルグループは編集できません。Googleは全ユーザー共通のユニバーサルデフォルトを維持しており、独自のカテゴリを作りたい場合はカスタムチャネルグループを作成する形になります(出典:デフォルト チャネル グループ|アナリティクス ヘルプ)。

作るときに決めておく3つのこと

決めること 考え方
粒度 媒体名まで分けるか、役割(獲得/育成/指名)でまとめるか。レポートで意思決定する単位に合わせる
ルールの優先順位 上から順に評価されるため、条件が重なるルールは並び順で結果が変わる。狭い条件を上に置く
デフォルトとの対応関係 カスタムを主に見る運用にすると、他部署や外部パートナーが見ている数字とずれる。どちらを正とするかを決めておく

カスタムチャネルグループは便利ですが、UTMの不備を隠す用途で使うと別の問題が起きます。「見た目のUnassignedは減ったが、リンク側は間違ったまま」という状態になると、広告管理画面やBigQuery、Looker Studioなど別の経路で見たときに数字が合いません。原則は原因を直すこと、カスタムは直せないものの受け皿、という順序で使ってください。

放置すると広告の評価がどう歪むか

Unassignedは、単に見栄えが悪いだけの問題ではありません。費用をかけている流入が別の箱に入ることで、媒体間の比較が成立しなくなります。

  • 媒体別のCPAが実態より悪く見える:広告経由のコンバージョンがUnassignedに計上されると、その媒体の成果が過少評価されます。予算配分の判断がそのままずれます。
  • オーガニックの成果が過大に見えることがある:逆に、有料の条件を満たさないメディア値が「オーガニック検索」の条件(メディアが organic と完全一致)に引っかかると、広告の成果がSEOの成果として集計されます。
  • アトリビューションの経路分析が使えなくなる:分類できていないチャネルが経路に混ざると、どの接点が寄与したのかを読めません。
  • レポートの信頼が落ちる:社内で「GA4の数字は当てにならない」という空気ができると、計測そのものへの投資が止まります。これがいちばん実害が大きい状態です。

優先順位は、金額の大きい流入から直すことです。広告、次にメールやMA、その後にSNSやアフィリエイト、最後に社内システム経由。全部を一度に直そうとすると着手が遅れるので、費用が乗っている導線から順に潰してください。

再発を防ぐUTM運用ルール

Unassignedは、一度直しても運用が変わらなければ必ず戻ります。ルールをドキュメント化し、リンクを作る場所を1つに絞るのが唯一の対策です。

そのまま社内ルールに転記できる項目

【値の統一】

  • utm_medium に使ってよい値を一覧化した(cpc / display / email / affiliate / social / referral / sms など)
  • utm_source の表記を媒体ごとに固定した(例:facebook と Facebook を混在させない)
  • すべて小文字・半角、スペースは使わない、区切りはアンダースコアかハイフンで統一する、と決めた

【発行フロー】

  • URLを生成する場所を1つに決めた(スプレッドシートまたはURLビルダー)
  • 手打ちでのパラメータ追加を禁止した
  • 発行したURLと施策名を台帳に記録している
  • QRコードはUTM付きURLから生成することを印刷前の確認項目に入れた

【媒体ごとの方針】

  • 自動タグ設定を使う媒体と、手動UTMを使う媒体を分けて明記した
  • 自動タグ設定を使う媒体の最終URLにUTMを埋め込まないことを確認した
  • メール配信ツール・MAのパラメータ自動付与設定を有効にし、実機で着地URLを確認した

【監視】

  • 月1回、Unassignedのセッション数と割合を確認する担当と日程を決めた
  • Unassignedの中身(参照元・メディア)を見る探索レポートを保存した
  • 計測設定を変更した日付を記録する台帳を用意した

Web広告運用代行

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広告運用代行の詳細を見る

LnXの見解

広告アカウントを引き継ぐとき、当社が最初に見るのはGA4のチャネル内訳です。Unassignedが大きく膨らんでいるアカウントは、ほぼ例外なく「UTMを付ける人」と「数字を見る人」が分かれていて、その間にルールが無い状態になっています。担当者ごとに好きな値を入れてリンクを発行し、レポートを見る側は分類されなかった分を毎月見なかったことにする——という構造です。

この状態のまま媒体別のCPAを比べても、判断材料になりません。実際に、Unassignedを整理しただけで媒体ごとの評価が入れ替わり、止めようとしていた施策のほうが効いていたと分かるケースがあります。配信の改善に手を付ける前に、まず数字が正しい箱に入っているかを確かめる。順序としてはここが先です。

とはいえ、UTMの統一は地味で後回しにされやすい作業でもあります。当社が広告運用をお引き受けする場合は、初月に計測の棚卸しを行い、UTMの命名規則、発行フロー、月次で見る確認項目までまとめて整備したうえで配信の改善に入ります。すでに配信中のアカウントで「数字が信じられない」という状態になっている場合も、そこから着手できます。

よくある質問

Q GA4のUnassignedとは何ですか?

Unassignedは、そのイベントのデータがGA4のどのチャネル定義のルールにも一致しなかった場合に入る値です。「参照元が分からない」という意味ではなく、「参照元とメディアの組み合わせが、用意されている分類条件のどれにも当てはまらなかった」という意味になります。したがって、多くの場合はサイト側やリンク側の設定を直せば正しいチャネルに分類できます。

Q Unassignedと(direct)は何が違いますか?

GA4の「直接」チャネルは、参照元が(direct)と完全一致し、かつメディアが(not set)または(none)である場合に割り当てられます。つまり、参照元もメディアも情報が無い状態が「直接」です。一方Unassignedは、参照元かメディアのどちらかに値が入っているものの、その組み合わせが既存のチャネル定義に一致しないケースで発生します。utm_sourceだけを付けてutm_mediumを付け忘れたリンクは、この典型です。

Q Unassignedと(other)は同じものですか?

別物です。(other)は、レポートの行数が上限に達したときに残りをまとめる集計上の値で、基数制限が生じた集計行に使われます。設定を直しても消えるものではなく、対処としてはディメンションの粒度を下げるか、探索レポートやBigQueryで確認することになります。設定ミスを疑うべきなのはUnassignedのほうです。

Q utm_mediumには何を入れればよいですか?

GA4の判定ルールに合う値を使ってください。有料の流入であれば、メディアがcpを含む文字列、ppc、retargeting、paidで始まる文字列のいずれかに一致する必要があり、実務ではcpcが無難です。メールはemail、アフィリエイトはaffiliate、SMSはsms、ディスプレイはdisplayやbannerなどが定義されています。オーガニックソーシャルはsocialなどが対象ですが、有料ソーシャルとして扱いたい場合は参照元がソーシャルサイトのリストに一致したうえでメディアが有料の条件を満たす必要があります。社内で使ってよい値を一覧化し、それ以外を禁止するのが確実です。

Q メール配信ツールやMAからの流入がUnassignedになります。どうすればよいですか?

配信ツールのクリック計測はいったん自社ドメイン外のトラッキングURLを経由するため、リダイレクトの過程でパラメータや参照元情報が落ちることがあります。対処は2つで、1つはツール側でUTMパラメータを自動付与する設定を有効にし、リダイレクト後のURLにもパラメータが残ることを実機で確認すること。もう1つは、それでも分類されない参照元が残る場合に、カスタムチャネルグループでその参照元をまとめて「メール」などに割り当てることです。

Q Unassignedはどのくらいまでなら放置してよいですか?

明確な基準値はありませんが、当社では全セッションに占める割合が数パーセント程度までであれば運用上の判断に支障が出にくいと考えており、二桁に乗る場合は原因調査を優先しています。重要なのは割合そのものよりも、Unassignedの中身が特定の施策に偏っていないかです。広告やメールなど費用をかけている流入が混ざっている場合は、割合が小さくても評価が歪むため先に直してください。

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