この記事でわかること

  • 信頼性要素が「読者の疑い」のどこに効くのか
  • お客様の声・数値実績など6分類の性質と使い分け
  • 声が集まる依頼のタイミングと、効く4つの質問
  • 掲載文で加工してよい範囲と、してはいけない加工
  • ステマ規制・No.1表示・医療広告ガイドラインを踏まえた掲載ルール
  • LP内での配置・分量と、実績がない場合に出せるもの

信頼性要素が「読まれるLP」と「申し込まれるLP」を分ける

LPの改善というと、ファーストビューのコピーやCTAのボタン文言に手が伸びます。ところが、その手前で止まっている案件を開いてみると、「良さそうなことは書いてあるが、本当かどうかを確かめる材料がない」という状態であることが少なくありません。読者は最後の段階で、必ず一度は疑います。

ここで効くのが信頼性要素です。お客様の声、導入実績、数値、資格・許認可、メディア掲載、担当者の顔と経歴——呼び方はさまざまですが、役割はひとつに集約されます。「この会社が言っていることは、自社以外の情報源でも裏が取れる」と示すことです。

読者の疑い効く信頼性要素効かない対応
本当に成果が出るのか数値付きの事例、期間と条件が書かれた実績「多くのお客様に選ばれています」
自社と同じ状況で使えるのか業種・規模・課題が近い声業種がバラバラな声を並べる
ちゃんとした会社なのか所在地・登記情報・許認可・取引先ロゴだけを並べた「導入企業」
誰が担当するのか担当者の顔写真・経歴・執筆記事イメージ写真の外国人モデル
失敗したらどうなるのか解約条件・支援範囲・できないことの明示「安心のサポート体制」

前提の整理:信頼性要素は「量を増やせば効く」ものではありません。関係のない業種の声を10件並べるより、読者と状況が近い声が1件あるほうが強いのが実務の感覚です。以下では、集め方・書き方・法規制・置き方の順で、実際に手を動かす順番に沿って整理します。

信頼性要素の6分類と、効き方の違い

ひとくちに「実績を載せる」と言っても、性質はかなり違います。自社に何が用意できるかを整理するところから始めてください。

1

お客様の声(体験談・インタビュー)

もっとも一般的で、もっとも作り込みに差が出る要素です。効くのは「褒め言葉」ではなく「導入前の状況の具体性」です。「対応が丁寧でした」は誰にでも当てはまり、判断材料になりません。「毎月の広告レポートを読む時間が取れず、数字の意味が分からないまま3年続けていた」のような一文があると、読者は自分を重ねます。

  • 実名・社名・写真が出せるほど信頼性は上がるが、出せない場合も掲載自体は可能
  • 匿名にする場合は「業種・規模・地域」のいずれかを具体的に書いて補う
2

数値実績(改善事例)

「CPAが半分になった」「問い合わせが月3件から18件に増えた」といった数字です。強い一方で、条件を書かないと誇大な印象を与え、かえって疑われます。期間・対象・前提(広告費、季節性、同時に行った施策)を添えてください。数字を盛るより、条件を丁寧に書くほうが信用されます。

3

取引実績・導入企業

ロゴの一覧は視覚的なインパクトがありますが、掲載許諾を取っていない状態での掲載はトラブルの原因になります。許諾が取れない場合は「上場企業を含む◯社」「◯業界を中心に累計◯社」のような表記に切り替えます。累計社数を書くときは、社内で数え方の定義(契約ベースか、単発の相談を含むか)を決めておいてください。

4

資格・許認可・認定

士業・医療・建設・人材など、資格や許認可が前提となる業種では最優先で置くべき要素です。読者は無意識に「そもそも依頼していい相手か」を確認しています。番号や登録名称を正確に記載し、更新切れがないか定期的に見直してください。

5

第三者の言及(メディア・受賞・外部レビュー)

自社以外が発信した情報は、自社の主張より強く働きます。掲載媒体名、日付、可能であればリンクを添えます。ただし「出稿した広告記事」を編集記事のように見せるのは避けてください。後述するステルスマーケティングの論点に直結します。

6

担当者の顔・経歴・発信

小規模な事業者ほど効きやすい要素です。「誰が担当するのか分かる」だけで、問い合わせのハードルは下がります。写真、担当領域、実務年数、書いている記事や登壇歴。フリー素材のビジネスマン写真は逆効果になるため、撮影が難しければ写真なしで経歴だけを書くほうが無難です。

お客様の声を集める手順(依頼のタイミングと聞き方)

「載せたいが、そもそも集まらない」という相談が最も多い部分です。集まらない原因はほぼ2つで、頼むタイミングが遅いことと、質問が漠然としていることです。

依頼のタイミング

  • 成果が出た直後、または納品直後:満足度がもっとも高い瞬間に依頼します。契約終了時まで待つと、記憶も熱量も薄れます。
  • お礼の連絡と同じ流れで打診する:改まった依頼メールより、通常のやりとりの延長で頼むほうが承諾されやすい傾向があります。
  • 断られたときの代替案を用意しておく:「実名が難しければ匿名で」「文章が難しければ15分お話を伺って、こちらで文章化します」と、負担の軽い選択肢を並べます。

効く質問と、効かない質問

効かない質問置き換える質問引き出せるもの
ご感想をお聞かせください依頼する前は、どんなことに困っていましたか読者が自分を重ねる導入前の状況
満足度はいかがですか依頼を決める前に、迷った点は何でしたか検討中の読者の不安と同じ論点
よかった点を教えてください実際に始めてから、何が変わりましたか具体的な変化・数値
今後に期待することは同じ悩みの会社に、どう伝えますか推薦の言葉として使える一文

実務のコツ:アンケートフォームで自由記述だけを送ると、ほぼ「対応が丁寧でした」で返ってきます。上記4問を順番に並べた短いフォームにするか、15分のオンライン通話で聞き取ってこちらで文章化するほうが、使える素材になります。文章化した場合は必ず本人に確認を取り、掲載可否と表記(実名・イニシャル・業種のみ)を書面かメールで残してください。

掲載文の作り方:加工していい範囲と、してはいけない加工

聞き取った内容をそのまま載せると、話し言葉のままで読みにくいことがあります。読みやすさのための整えは必要ですが、線引きは明確にしておいてください。

やってよい加工やってはいけない加工
言い淀み・重複の削除、語順の整理言っていない成果や評価を足す
読みやすさのための改行・見出し付け否定的な条件(「◯◯は自社でやる必要がある」等)だけを削る
本人確認を取ったうえでの要約複数人の声を1人の発言として合成する
社名を伏せて業種・規模に置き換える実在しない人物・企業を作る

特に注意:成果の数値を声の中に含める場合、その数値が実際のデータと一致しているかを必ず確認してください。お客様の記憶ベースの数字をそのまま載せると、事実と食い違ったまま公開されることがあります。数値は自社側の管理画面やレポートで裏を取り、期間も併記します。

読まれる声のフォーマット

  • 見出しに一番強い一文を抜く:本文全部は読まれません。読者が拾うのは見出しだけと考えて設計します。
  • 「導入前 → 迷った点 → 導入後」の3段構成:この順番だと、検討中の読者の思考の流れと一致します。
  • 属性を先頭に置く:「製造業/従業員30名/広告未経験」のように、読者が自分と近いかを一瞬で判断できるようにします。
  • 長さは200〜400字程度:長文インタビューは別ページに置き、LP内はダイジェストにします。

景品表示法・ステマ規制を踏まえた掲載ルール

お客様の声や実績の見せ方は、表示規制と直結します。ここを外すと、CVR以前の問題になります。

ステルスマーケティングは景品表示法違反

消費者庁は、景品表示法第5条第3号に基づき「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年内閣府告示第19号)を指定し、あわせて運用基準(令和5年3月28日 消費者庁長官決定)を公表しています。これがいわゆるステマ規制で、令和5年10月1日から適用されています。事業者が自ら(あるいは対価を払って第三者に)行わせた表示であるにもかかわらず、第三者の自主的な感想であるかのように見せる行為が対象です。

  • 報酬・割引・商品提供などの対価を伴う投稿は、広告である旨を明瞭に表示する(「PR」「広告」「◯◯社から提供を受けています」等)
  • 自社の従業員・関係者による口コミ投稿を、一般利用者の投稿として掲載しない
  • 出稿した広告記事(タイアップ)を、編集記事のようにLPで引用しない
  • 自社LPに掲載する「お客様の声」自体は、自社の表示であることが明らかなので通常は問題になりません。問題になるのは、外部サイトやSNSでの見せ方です

誇大にならない数値・No.1表示の扱い

「業界No.1」「顧客満足度98%」といった表示は、根拠となる調査の出典・調査期間・調査対象・回答数を併記できることが前提です。根拠が示せない、あるいは調査設計が実態と乖離している場合、優良誤認表示と判断されるおそれがあります。実務上は、次の3点を書けるかで判断してください。

  • 誰が、いつ、何人に調査したのか(調査主体・時期・サンプル数)
  • 何と比較した「No.1」なのか(比較対象の範囲)
  • その根拠資料を、求められたときにすぐ提出できるか

業種によっては体験談の掲載自体が制限される

医療機関は要注意:2018年の医療法改正により、医療機関のWebサイトも広告規制の対象になりました。厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、治療内容や効果に関する患者等の体験談を広告に掲載することが認められていません。クリニックのLPで「お客様の声」を集めて載せる、という一般的な手法がそのまま使えない領域です。医療のほか、美容・健康食品(薬機法)、金融、士業なども個別の表示ルールがあるため、自社の業種の規制を確認してから素材を集めてください。集めた後に載せられないと分かると、依頼した相手にも迷惑がかかります。

LP内のどこに置くか(配置と分量)

信頼性要素は「まとめて1か所に置く」より、読者が疑いを持つ場所の直後に分散させるほうが効きます。

位置置くもの意図
ファーストビュー付近実績数・取引社数・許認可バッジ読み進める前の足切りを回避する
サービス説明の直後数値実績・改善事例「本当にできるのか」に答える
お客様の声セクション属性の近い声を3〜5件「自社でも使えるか」に答える
料金説明の直後担当者情報・支援範囲の明示「払う価値があるか」に答える
FAQ・CTA付近解約条件・返信までの日数最後の不安を消す

分量の目安:お客様の声はLP内に3〜5件、それ以上は別ページへが扱いやすい形です。10件以上を縦に並べると、スクロール量が増えてCTAまで到達しなくなります。件数が多い場合は、業種別のタブや「もっと見る」で畳んでください。信頼性要素の直後にはCTAを置くのが定石です。関連して、LPのCTA設計|ボタン文言・配置・追従バーで問い合わせを増やす実践手順もあわせてご覧ください。

実績がまだ無い場合に何を出すか

創業直後や新サービスの立ち上げでは、そもそも声も実績もありません。この状態で「多くのお客様に選ばれています」と書くと、確認できない主張が並ぶだけになります。代わりに出せるものは意外とあります。

  • 担当者の経歴・前職での実務経験:会社の実績がなくても、個人の経験は書けます。「前職で◯業界の広告運用を5年」は十分な材料です。
  • プロセスの開示:初回相談から納品までの流れ、使うツール、レポートの実物サンプル。何をするかが分かること自体が不安を減らします。
  • できないこと・向かない相手の明示:「◯◯の業種はお受けしていません」と書くと、書いてある他の部分の信憑性が上がります。
  • 無料・小規模から始められる入口:実績で説得できないぶん、リスクの小ささで補います。
  • 発信の蓄積:記事、事例解説、セミナー登壇。第三者評価の代わりに、思考の中身を見せる方法です。

最初の1件をどう作るか:初期の案件は、契約時に「成果が出たら事例として掲載させていただけないか」を先に相談しておくと、後から頼むより格段に通ります。金額面で配慮する場合も、掲載条件を口頭ではなく書面で残してください。後の関係悪化を防ぎます。

信頼性要素チェックリスト

公開前チェックリスト

【素材】

  • 掲載するお客様の声について、本人の掲載許諾が記録に残っている
  • 表記(実名・イニシャル・業種のみ)を本人と合意している
  • 声に含まれる数値を、自社のデータで裏取りしている
  • 導入企業ロゴの掲載許諾を取得している

【表示ルール】

  • 対価を伴う第三者の投稿を、広告表示なしで引用していない
  • No.1・満足度◯%の根拠(調査主体・時期・対象・件数)を書ける
  • 自社の業種で体験談の掲載が認められているかを確認した
  • 数値実績に期間と前提条件を併記している

【見せ方】

  • 声の冒頭に業種・規模などの属性が書かれている
  • 「導入前 → 迷った点 → 導入後」の順で構成されている
  • LP内の掲載は3〜5件に絞り、残りは別ページへ逃がしている
  • 信頼性要素の直後にCTAがある

【運用】

  • 掲載中の実績・資格に、更新切れや古い数値が残っていない
  • 取引が終了した企業のロゴを掲載し続けていない
  • 新しい声を追加する担当と頻度が決まっている

Web広告運用代行

広告の配信設定だけでなく、着地ページの説得力まで

LnXの広告運用代行は、広告戦略の立案から配信・分析改善・レポーティングまで一気通貫でご支援するサービスです。「実績や声をどう見せるか」「どこまで書いてよいか」といった着地ページ側の論点も含めて、まるっと巻き取ります。まずは現在のLPを見せていただくところから対応可能です。

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LnXの見解

広告のご相談でLPを拝見するとき、私たちが早い段階で確認するのは「この会社が言っていることを、読者はどこで確かめられるか」です。サービス説明が丁寧で、料金も明快なのに問い合わせが伸びない——という案件では、裏付けの置き場所が抜けていることがよくあります。

もうひとつ、実務でよく起きるのが「声を集めてから、載せられないと分かる」という順番の事故です。医療機関のように体験談そのものが使えない領域もありますし、上場企業のロゴは広報の許諾に数週間かかることもあります。素材集めの前に、載せられる形を確定させてください。この順番を守るだけで、無駄な工数と気まずいやりとりがなくなります。

最後に、規制の話を過度に恐れて何も書かなくなるのは別の失敗です。景品表示法が問題にしているのは、「確かめられない主張を、確かめられるかのように見せること」であって、実績を出すこと自体ではありません。数字を盛らず、条件を丁寧に添える。声を作らず、本人の言葉を整える。この2つを守れば、書ける範囲はかなり広く残ります。まずは直近で成果が出たお客様に、お礼の連絡ついでに4つの質問を送ってみてください。

よくある質問

Q お客様の声は何件くらい載せるのが適切ですか?

LP内は3〜5件を目安にし、それ以上は別ページへ逃がす形が扱いやすいです。件数を増やすほどスクロール量が増え、CTAまで到達する人が減ります。数を競うより、読者と業種・規模・課題が近い声を選んで並べるほうが効果的です。

Q 実名や社名を出せないお客様の声でも意味はありますか?

意味はあります。ただし匿名にするぶん、「製造業/従業員30名/東京都」のように属性を具体的に書いて情報量を補ってください。イニシャルと業種だけでも、何も書かないよりは読者が自分と重ねやすくなります。実名が出せる案件が1件でもあれば、その1件を最上部に置く構成にすると全体の信憑性が上がります。

Q 自社のLPに「お客様の声」を載せるのは、ステマ規制に違反しますか?

自社のLPは自社の表示であることが読者から見て明らかなため、通常は問題になりません。ステマ規制が問題にするのは、事業者が関与しているのに第三者の自主的な感想であるかのように見せる表示です。注意が必要なのは、対価を払った第三者のSNS投稿やレビューを広告表示なしで引用する場合、従業員の口コミを一般利用者の投稿として扱う場合などです。

Q 「顧客満足度95%」と書きたいのですが、何を用意すべきですか?

調査主体・調査時期・調査対象・回答数の4点を併記できる状態にしてください。あわせて、その根拠資料を求められたときにすぐ提出できるかを確認します。これらが示せない数値表示は、優良誤認表示と判断されるおそれがあります。回答数が少ない場合は、率ではなく実数で書くほうが安全です。

Q クリニックのLPでも患者さんの声は載せられますか?

厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、治療内容や効果に関する患者等の体験談を広告に掲載することが認められていません。2018年の医療法改正で医療機関のWebサイトも広告規制の対象になっています。医療分野では、体験談の代わりに、症例数、医師の経歴・専門医資格、設備、診療の流れなど、規制の範囲内で示せる情報に置き換える設計が必要です。

Q 実績がまだ無い立ち上げ期は、何を載せればよいですか?

担当者個人の経歴、支援の進め方(プロセス)の開示、レポートの実物サンプル、お受けできない条件の明示、小さく始められる入口の用意などが代替になります。あわせて、初期案件の契約時に「成果が出たら事例として掲載させていただけないか」を先に相談しておくと、最初の1件が作りやすくなります。

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