この記事でわかること

  • 品質スコアが「診断ツール」であるという公式の位置づけ
  • 掲載位置を決める広告ランクとの違い
  • 3つの構成要素それぞれが何を評価しているか
  • 実務でどこまで気にすべきかの線引き
  • 構成要素が低いときに、何から直すか
  • 品質スコアをめぐるよくある誤解4つ

品質スコアとは何か

品質スコアは、Google広告の管理画面でキーワード単位に表示される1〜10の数値です。他の広告主と比べたときの広告の品質の目安を示すもので、検索キャンペーンのキーワード画面で列を追加すると確認できます。

ここで最初に押さえておきたいのが、Googleの公式ヘルプにおける位置づけです。品質スコアは「品質改善が必要な広告を特定する手掛かりとして提供されている診断用の数値」とされており、広告オークションにおける評価材料そのものではないと説明されています。

ここを取り違えると時間を無駄にします:「品質スコアを上げればクリック単価が下がる」という説明を目にすることがありますが、スコアという数値そのものがオークションに使われているわけではありません。オークションで見られているのは、スコアの元になっている品質の実態のほうです。数値を上げにいくのではなく、実態を改善した結果として数値が動く、という順序で理解してください。

広告ランクとの関係

広告が掲載されるかどうか、掲載される場合にどの位置になるかを決めているのは広告ランクです。広告ランクの算出には、入札単価と、オークション時の品質が考慮されます。この「オークション時の品質」には、推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性といった測定値が含まれます。

項目 品質スコア 広告ランク
役割 改善点を見つけるための診断 掲載可否と掲載位置の決定
単位 キーワード単位の1〜10 オークションごとに算出
確認 管理画面で列を追加すれば見られる 直接の数値は確認できない
入札単価 含まれない 含まれる
更新のタイミング データが蓄積されるにつれ変動 オークションのたびにリアルタイム

実務上の意味はシンプルです。品質スコアは「今のところ、この領域に改善余地がありそうだ」という手がかりであって、成果を測る指標ではありません。成果はコンバージョン数とCPAで見て、その原因を探るときに品質スコアの構成要素を参照する。この順番が正しい使い方です。

3つの構成要素

品質スコアは、3つの要素それぞれについて「平均より上」「平均的」「平均より下」で評価が表示されます。総合点の数値より、どの要素が低いのかを見るほうが実務では役に立ちます。

1

推定クリック率

広告が表示されたときにクリックされる可能性を表す評価で、過去のクリック率に基づいて算出されます。低い場合は、広告文が検索意図に対して魅力的に映っていない、あるいは競合の広告文と比べて訴求が弱いことが考えられます。

見出しに検索語句の言葉を入れる/具体的な数字や条件を入れる
2

広告の関連性

広告がユーザーの検索の意図と一致する度合いを示します。低い場合、1つの広告グループに意味の違うキーワードが混在していることが典型的な原因です。「費用」と「代行」と「やり方」を同じグループに入れると、どの検索にも中途半端な広告文になります。

広告グループを検索意図の単位で分け直す
3

ランディングページの利便性

広告をクリックしたユーザーにとって、ランディングページがどの程度関連性があり有用かを示します。広告文で約束した内容がページ上にあるかが起点で、加えて表示速度やスマートフォンでの見やすさ、目的の情報への到達しやすさが関わります。

広告文の見出しと、ページの最初に見える内容を一致させる

3要素のうち最も改善余地が大きいのは:中小企業のアカウントでは、「広告の関連性」が低い=広告グループの切り方が粗いケースが最も多く見られます。キーワード設計を直すと、関連性と推定クリック率が同時に動くため、費用対効果の高い改善になります。

どこまで追うべきか

限られた時間の中で、品質スコアにどこまで手をかけるべきか。判断の目安を整理します。

状況 対応 理由
CPAが目標内で安定している 見なくてよい 成果が出ている以上、優先度は低い
費用の大きいキーワードのスコアが低い 確認する 影響額が大きく、改善効果も大きい
クリック率が競合比で明らかに低い 広告文を見直す 推定クリック率の評価に直結する
クリックはあるがCVが極端に少ない LPを見直す 利便性の評価とCVRの両方に効く
データが少ない立ち上げ直後 待つ 評価が定まっておらず判断できない
スコアを10にしたい 目的を見直す スコア自体は成果指標ではない

低いときの直し方

構成要素ごとに、手を付ける順番があります。

品質改善チェックリスト

【広告の関連性が低いとき】

  • 1つの広告グループに意味の違う語が混ざっていないか確認した
  • 広告文の見出しにキーワードの語を入れた
  • グループを検索意図の単位で分け直した
  • グループごとにリンク先を割り当て直した

【推定クリック率が低いとき】

  • 競合の広告文を実際に検索して確認した
  • 具体的な数字・条件・実績を見出しに入れた
  • 見出しのパターンを複数用意して検証している
  • アセット(サイトリンク等)を設定した

【LPの利便性が低いとき】

  • 広告文で約束した内容がページ上にあるか確認した
  • ファーストビューで何のページか分かるようにした
  • スマートフォンでの表示と速度を確認した
  • 問い合わせ導線までの距離を短くした

この中で最も費用対効果が高いのは、広告グループの切り直しです。関連性と推定クリック率が同時に動くうえ、広告文とリンク先の整合も取りやすくなります。逆に、LPの全面リニューアルは工数が大きいわりに、原因が別のところにあると効果が出ません。順番を守ってください。

よくある誤解4つ

1. 「品質スコアを上げればクリック単価が下がる」

スコアという数値自体がオークションで使われているわけではありません。オークションで見られているのは品質の実態であり、スコアはそれを診断用に表した数値です。実態が改善すればスコアも動きますが、順序が逆になっている説明には注意してください。

2. 「品質スコアは高いほど良い、10を目指すべき」

目指すべきなのはコンバージョン数とCPAです。スコアが7でも目標CPAを達成しているなら、そのアカウントは問題ありません。スコアを上げるための作業に時間を使うより、成果指標から逆算して優先順位を決めてください。

3. 「入札単価を上げれば品質スコアも上がる」

品質スコアの算出に入札単価は含まれません。入札単価が関わるのは広告ランクのほうです。単価を上げれば掲載位置は動きますが、品質の評価は別軸です。

4. 「新しいキーワードのスコアが低いのは問題だ」

データが蓄積されるまで評価は定まりません。配信直後の数値を見て判断すると、まだ何も分かっていない状態を評価していることになります。一定のインプレッションが溜まってから確認してください。

Web広告運用代行

広告文からリンク先まで、一体で改善します

広告の品質は、キーワード設計・広告文・リンク先ページの3つが噛み合って初めて上がります。LnXの広告運用代行では、配信設定だけでなくLPの改修方針まで含めて設計します。現在のアカウントを拝見しての診断も可能です。

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LnXの見解

品質スコアについてご質問をいただいたとき、私たちがまずお伝えするのは「その数値は目標ではなく、健康診断の項目のようなものです」という説明です。健康診断の数値を良くすること自体が目的ではなく、体の状態を知る手がかりとして見る。品質スコアもそれと同じで、コンバージョン数とCPAという成果指標があって初めて意味を持ちます。

実務でこの数値が役に立つのは、成果が出ていないときの原因の切り分けです。CPAが高いとき、原因が広告文にあるのか、キーワードの選び方にあるのか、リンク先ページにあるのかを判断する材料として、3つの構成要素の内訳が使えます。総合点の1〜10より、どの要素が「平均より下」なのかを見るほうがはるかに実用的です。

そのうえで、中小企業のアカウントで最も多い改善余地は広告グループの切り方だと感じています。意味の違うキーワードが1つのグループに同居していると、広告文がどの検索にも中途半端になり、関連性もクリック率も上がりません。ここを直すと3要素のうち2つが同時に動くため、着手する価値が大きい部分です。LnXでは広告・LP・計測を同じ担当が見るため、広告文を直すべきか、リンク先を直すべきかを切り分けたうえで、効果の大きい順にご提案しています。

よくある質問

Q 品質スコアが低いと、広告は表示されないのですか?

品質スコアが直接の理由で表示されなくなるわけではありません。掲載可否や掲載位置を決めるのは広告ランクで、こちらは入札単価とオークション時の品質などから算出されます。品質スコアは、その品質に関わる要素を1〜10で表した診断用の数値です。低い状態が続いているなら改善の余地があるという合図として使ってください。

Q 品質スコアを10にすることを目標にすべきですか?

目標にする必要はありません。Googleの公式ヘルプでも、品質スコアは改善が必要な広告を特定するための診断ツールと位置づけられており、オークションの評価材料そのものではないと説明されています。スコアを上げること自体を目的にすると、成果につながらない作業に時間を使うことになります。見るべきは、コンバージョン数とCPAです。

Q 品質スコアはどこで確認できますか?

検索キャンペーンのキーワード画面で、表示する列に品質スコアと3つの構成要素(推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性)を追加すると確認できます。キーワード単位の数値なので、広告グループ全体の傾向を見たい場合は、費用の大きいキーワードから順に確認するのが実務的です。

Q ランディングページの利便性が「平均より下」と出ています。何を直せばよいですか?

まず広告文とページの内容が対応しているかを確認してください。「料金」で検索してクリックした人が、料金の記載がないページに着地していれば、この評価は下がります。次に表示速度とスマートフォンでの見やすさ、そして目的の情報にすぐ到達できるかを見ます。ページ全体を作り直す前に、広告とページの対応関係を整えるだけで改善することが多くあります。

Q 自動入札を使っている場合も品質スコアは気にすべきですか?

入札単価を自分で調整しない場合でも、広告の関連性やランディングページの利便性は成果に影響します。ただし見る順番としては、まずコンバージョン数とCPAの推移を確認し、そこに問題があるときの原因究明の材料として品質スコアの構成要素を見る、という使い方が実務的です。スコアを直接改善しにいくより、成果指標から入るほうが判断を誤りません。

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