この記事でわかること
- GA4とSearch Consoleの役割の違いと、連携すると何が増えるか
- 連携前に確認する権限とリンクの制約(1対1・変更不可)
- 連携の手順と、レポートが出ないときの確認順
- クリック数とセッション数が一致しない8つの理由
- 月1回30分で「直す記事」を決める見る順番と、数値パターン別の次の一手
GA4とSearch Consoleは何が違う?連携で増えるもの
GA4(Googleアナリティクス4)は、サイトに来た後の行動を測るツールです。どのページから入り、何ページ見て、問い合わせ(キーイベント)に至ったかが分かります。一方、Search Consoleは、Google検索の結果でサイトがどう表示され、どれだけクリックされたかを測るツールです。表示回数、クリック数、クリック率(CTR)、平均掲載順位、そして検索語句(クエリ)が見られます。
2つは別のツールなので、そのままでは「どの検索語句で来た人が、問い合わせまで進んだのか」が1つの画面で追えません。リンク(連携)すると、GA4の中にSearch Consoleのレポートが追加され、検索の表示側のデータと、サイト内の行動データを並べて見られるようになります(出典:Search Console のリンク|アナリティクス ヘルプ(Google))。
| 見たいこと | GA4 | Search Console |
|---|---|---|
| 検索結果で何回表示されたか | 見られない | 表示回数 |
| どの検索語句で表示・クリックされたか | 連携後のレポートで確認 | クエリ別のクリック数・CTR・掲載順位 |
| サイトに来た後の行動(滞在・閲覧・問い合わせ) | エンゲージメント、キーイベント | 見られない |
| 広告からの流入 | チャネルや広告のリンク設定で確認 | 対象外(Google検索の自然検索のデータ) |
この記事は、すでにGA4を設置していて、検索からの流入をもう一歩踏み込んで見たい方向けです。GA4そのものの設置が不安な方はGA4でコンバージョン計測できない原因と確認ポイント|GTM設定トラブル対処法、設定を外部に頼む場合の比較はGA4設定代行おすすめ6選|料金・作業範囲を比較を先にご覧ください。
連携前に確認する権限とリンクの制約
Google公式ヘルプによると、リンクの作成にはGA4側で「編集者」の役割、そしてSearch Console側でそのプロパティの「確認済みオーナー」であることが必要です。確認済みオーナーでない場合は、リンクの設定中に所有権の確認を行う流れになります。リンクを削除するだけなら、編集者の役割で足ります(出典:Search Console のリンク|アナリティクス ヘルプ(Google))。
もう1つ大事なのが、リンクの制約です。同じく公式ヘルプに、次のように書かれています。
- 1対1の関係:1つのウェブデータストリームにリンクできるSearch Consoleプロパティは1つ、1つのSearch Consoleプロパティにリンクできるウェブデータストリームも1つです。
- あとから編集できない:リンクの内容は編集できません。変更したいときは、いったん削除して、新しく作り直します。
- データの保持期間:Search Consoleのデータは16か月分が保持され、レポートに表示されるのも最大16か月分です。
つまずきやすい点:社内の担当者が複数いる会社では、GA4の編集者とSearch Consoleの確認済みオーナーが別の人(または制作会社)になっていることがよくあります。作業を始める前に、どちらの権限を誰が持っているかを確認しておくと、途中で止まりません。
連携の手順(5ステップ)
画面の名称は更新されることがあるため、実際の表示と少し異なる場合は、公式ヘルプを併せて確認してください。流れは次のとおりです。
GA4の「管理」を開く
対象のGA4プロパティを選んで、左下の「管理」を開きます。編集者以上の権限がないと、リンクのボタンが押せません。
「サービス間のリンク設定」から「Search Console のリンク」を選ぶ
プロダクトのリンク設定の一覧のなかに、Search Consoleのリンクがあります。表の「リンク」ボタンを押します。
Search Consoleのアカウント(プロパティ)を選ぶ
自分が確認済みオーナーになっているプロパティの一覧から、対象のサイトを選びます。見つからないときは、Search Console側の所有権の確認ができていない可能性があります。
ウェブストリームを選ぶ
サイトに対応するウェブデータストリームを選びます。先ほど書いたとおり、ストリームとプロパティは1対1なので、サイトが複数あるときは対応を間違えないようにしてください。
内容を確認して送信する
設定内容を確認して送信すると、リンクが作成されます。作成後、Search Consoleのレポートは初期状態では非公開で、Search Consoleのレポートを「ライブラリ」から公開する操作が別途必要になる場合があります(出典:Search Console のリンク|アナリティクス ヘルプ(Google))。
リンクを作っても、すぐに数字は出ません。公式ヘルプによると、データは収集から48時間後にSearch ConsoleとGA4で利用可能になるとされています。設定した当日に「表示されない」と判断せず、2日ほど待ってから確認してください。
連携後に増える2つのレポートの読み方
リンクが完了すると、GA4のプロパティに次の2つのレポートが加わります(出典:Search Console のリンク|アナリティクス ヘルプ(Google))。
| レポート名 | 見られること | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| Google オーガニック検索クエリ | 検索語句ごとのクリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位 | どの語句で見られているか、順位に対してクリックが少ない語句はどれか |
| Google オーガニック検索トラフィック | ページ(ランディングページ)ごとの検索指標に加え、GA4側の行動データ | 検索から入った人が、そのページで読み進めたか、問い合わせに至ったか |
4つの検索指標は、次のように読みます。表示回数は検索結果に出た回数、クリック数は実際に押された回数、CTRはクリック数を表示回数で割った割合、平均掲載順位は表示されたときの順位の平均です。表示回数が多く順位も悪くないのにCTRが低いページは、タイトルや説明文を直す余地があります。逆に、クリックされていても、GA4のエンゲージメントが低いページは、検索意図と本文の冒頭が合っていない可能性があります。
なお、クエリ単位の細かい推移や、期間を長く取った分析が必要なときは、連携後のGA4のレポートよりも、Search Console本体の「検索パフォーマンス」のほうが向く場合があります。Looker Studioで自動化する方法はLooker Studioでレポート自動化|設計6ステップで解説しています。
クリック数とセッション数が一致しない8つの理由
連携すると、Search Consoleの「クリック数」とGA4の「セッション数」を並べたくなります。ところが、この2つは算出の仕組みが違うため、完全には一致しません。Googleの公式ドキュメントには、差が出る理由が8つ挙げられています(出典:Search Console と Google アナリティクスのデータの違い|Google 検索セントラル)。
| # | 理由 | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 1 | GA4のタグの実装状況(タグが付いていないページがある) | 検索で入口になるページすべてにタグが入っているか |
| 2 | Cookieやトラッキングの拒否 | 同意バナーの設定で、計測されない訪問がどれくらいあるか |
| 3 | タイムゾーン(Search Consoleは選択できず、既定は太平洋時間) | 日別の比較では、日付のずれがあり得る |
| 4 | アトリビューション(GA4は複数のモデルがあり、既定のモデルが最も近い) | 比較するモデルを既定にそろえる |
| 5 | 正規URL(Search Consoleは正規URLのみ。GA4は計測コードのある全URL) | パラメータ付きURLの数 |
| 6 | トラフィックの内訳(ウェブ・画像・動画・ニュース・Discoverの分け方が異なる) | 「ウェブ」に絞って比べる |
| 7 | HTML以外のページ(PDFなど)はGA4で計測されていない場合がある | 拡張計測機能イベントの有効化を検討 |
| 8 | ボットのトラフィック(GA4は既知のボットを除外、Search Consoleは除外しない場合がある) | 極端な差が出ていないか |
つまり、数字が合わないこと自体は異常とは限りません。「完全に一致させる」より、「同じ向きに動いているか」「差が急に広がっていないか」を見るほうが、実務では役に立ちます。差が急に広がった場合は、タグの外れや同意バナーの変更など、計測側の変化を疑ってください。計測の止まりを月1回点検する方法はGA4の計測が止まっていても気づけない?月1回の計測監査と異常検知の仕組みの作り方で解説しています。
月1回30分で「直す記事」を決める見る順番
連携しても、見るだけで終わってしまうことが多いものです。月に1回、次の順番で見ると、修正する記事のリストが30分ほどで作れます。
Search Consoleで、全体の動きを見る(5分)
直近の表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位を、前月と比べます。表示が減ったのか、クリック率が落ちたのかで、原因の方向が変わります。
GA4の「Google オーガニック検索トラフィック」で、ページ別に並べる(10分)
検索クリックが多いページ上位10本を出し、GA4側のエンゲージメントとキーイベントを横に見ます。
問い合わせにつながったページから、検索語句を逆引きする(10分)
キーイベント(問い合わせ)が1件でもあったページを選び、そのページで表示・クリックされている語句をクエリのレポートで確認します。「アクセスが多い語句」ではなく「問い合わせにつながったページの語句」を優先すると、直す順番を決めやすくなります。
修正リストを3件に絞る(5分)
直すページを多く挙げすぎると実行されません。3件に絞り、「何を、誰が、いつまでに」直すかを書いて、翌月の確認に備えます。
数値のパターン別に見る次の一手
| 見えた数値 | 考えられること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 表示回数は多い。順位も悪くないがCTRが低い | 検索結果での見え方が弱い | タイトルの語順、説明文の冒頭を見直す |
| クリックは多いが、エンゲージメントが低い | 検索意図と冒頭の内容がずれている | 冒頭の結論と目次の位置を見直す |
| エンゲージメントは高いが、問い合わせがない | 読まれても次の一歩が分からない | 記事内の相談導線の位置と文言を見直す |
| 問い合わせにつながったページがある | その語句の需要がある | 同じ語句に近い関連記事を追加し、内部リンクでつなぐ |
| 順位が下がり、表示回数も減った | 順位の変動か、検索の仕組みの変化 | 期間を延ばして推移を見て、他ページの影響も確認する |
これらは判断の補助であり、「この数値ならこの原因」と決めつけるものではありません。ページごとに、検索意図とページの内容が合っているかを実際に読んで確認してください。
連携後に困ったときの確認順
「レポートが出ない」「数字が空」のときは、次の順に確認します。
- リンクが作成されているか:GA4の管理で、Search Consoleのリンクの一覧に対象のプロパティが出ているか。
- ストリームの対応:リンクしたストリームが、実際に計測しているサイトのものか。
- レポートの公開:Search Consoleのレポートが、ライブラリで公開されているか。
- 待ち時間:リンク作成や設定の変更から、48時間以上経っているか。
- GA4側のタグ:対象のページにタグが入り、計測されているか。
リンクを間違えた場合は、編集ができないため、削除して作り直します。削除は編集者の役割で行えます。作り直しの前に、どのプロパティとどのストリームを対応させるのかを、メモにしておくと確実です。
LnXの見解
GA4とSearch Consoleの連携は、設定そのものは短時間で終わります。大切なのは、連携したあとに「何を直すか」を決める習慣を作ることだと考えています。数字を見るだけでは、サイトは変わりません。月に1回、問い合わせにつながったページから検索語句を逆引きして、直す記事を3件に絞る。この小さな循環が、広告に頼らない集客の土台になります。
当社は広告運用の支援でも、広告の成果だけでなく、LPや計測環境の整備を含めてご相談を受けています。広告からの流入と、検索からの流入を同じ指標で見られる状態を作っておくと、どこに費用をかけるべきかの判断がしやすくなります。計測の設定や、広告運用との関係でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q GA4とSearch Consoleの連携には、どんな権限が必要ですか?
Googleの公式ヘルプによると、リンクの作成にはGA4の「編集者」の役割と、Search Consoleのプロパティの「確認済みオーナー」であることが必要です。リンクの削除は、編集者の役割で行えます。
Q 連携してから、データが見えるまでどれくらいかかりますか?
公式ヘルプでは、データは収集から48時間後にSearch ConsoleとGA4で利用可能になるとされています。設定した当日や翌日に表示されなくても、すぐに異常と判断せず、2日以上待ってから確認してください。レポートが非公開のままの場合もあるため、ライブラリでの公開状況も確認します。
Q Search Consoleのクリック数とGA4のセッション数が合いません。異常ですか?
異常とは限りません。2つは算出の仕組みが違い、Googleの公式ドキュメントでも、タグの実装状況、Cookieの拒否、タイムゾーン、アトリビューション、正規URL、トラフィックの内訳、HTML以外のページ、ボットなどの理由で差が出ると説明されています。完全な一致より、同じ向きに動いているか、差が急に広がっていないかを見てください。
Q リンク先を間違えました。あとから変更できますか?
リンクの内容は編集できません。いったんリンクを削除して、新しく作り直します。削除は編集者の役割で行えます。作り直す前に、どのSearch Consoleプロパティとどのウェブデータストリームを対応させるのかをメモにしておくと確実です。
Q 1つのGA4で、複数のサイトのSearch Consoleデータを見られますか?
公式ヘルプでは、1つのウェブデータストリームにリンクできるSearch Consoleプロパティは1つ、1つのSearch Consoleプロパティにリンクできるストリームも1つとされています。サイトごとにストリームとプロパティの対応を決めて、設定してください。
Q 広告からの流入も、この連携で見られますか?
見られません。この連携で追加されるのは、Google検索の自然検索(オーガニック)のレポートです。広告の成果は、広告媒体とのリンク設定やチャネルの集計で別に確認します。広告と自然検索を同じ指標で比べたい場合は、キーイベントの定義をそろえておくと比較しやすくなります。