この記事でわかること
- 広告代理店に任せても成果が出ない典型的な7つの原因
- 代理店側の問題と、発注側(自社)が見直すべき問題の切り分け方
- 代理店を変える前に確認すべきこと
- セカンドオピニオンの活用方法
成果が出ない原因は代理店だけとは限らない
「広告代理店に任せているのに成果が出ない」と感じたとき、多くの場合すぐに「代理店を変えよう」という判断に至りがちです。しかし実際には、原因が代理店の運用スキルにあるケースと、発注側(自社)のLP・商材・目標設定に問題があるケースの両方が存在します。原因を切り分けずに代理店だけを変えても、同じ問題が繰り返されることは少なくありません。
成果が出ない7つの原因
目標(KPI)が曖昧なまま運用が始まっている
「とにかく問い合わせを増やしたい」など抽象的な目標のまま運用を始めると、代理店側も何を最適化すべきか判断できず、改善の方向性が定まりません。
LPの訴求内容・使いやすさに問題がある
広告のクリック率が高くても、LP側に問題があれば成約にはつながりません。広告とLPは常にセットで評価する必要があります。
計測環境が整っていない
コンバージョン計測が正しく設定されていないと、代理店側も正確な数値をもとに改善判断ができません。まず計測の正確性を確認しましょう。
商材自体の競争力・価格設定に課題がある
広告運用でどれだけ改善しても、商材自体が競合と比べて魅力に欠ける場合、根本的な解決にはなりません。
代理店の担当者の稼働・スキルが不足している
1人の担当者が多数のクライアントを抱えている場合、十分な分析・改善提案の時間が取れないことがあります。
月次レポートが「報告」で終わり「改善提案」がない
数字を伝えるだけで、次にどう変えるかの提案がない状態が続くと、施策は前に進みません。
チャネル間の連携・全体戦略が誰も見ていない
広告・SNS・SEOなど複数チャネルを別々の会社に依頼している場合、全体最適の視点を持つ人が不在だと、予算配分が非効率になります。
ポイント:7つの原因のうち、1・2・3・4・7は発注側(自社)に主な原因があるケースです。代理店を変える前に、まずこれらの項目を自社で確認することをおすすめします。
代理店を変える前に確認すべきこと
代理店変更の判断前に確認するチェックリスト
- そもそも自社のKPIは明確に共有されているか
- LPの内容は商材の魅力を正しく伝えられているか
- コンバージョン計測は正しく機能しているか
- 月次レポートには「次の改善提案」が含まれているか
- 担当者と直接、率直な状況共有ができているか
セカンドオピニオンという選択肢
代理店を変える前に、現状の広告アカウントの閲覧権限を外部の専門家に共有し、セカンドオピニオンとして状況を診断してもらう方法もあります。契約を切り替えずに、まず「本当に代理店側に問題があるのか」を客観的に判断できるメリットがあります。
どこで詰まっているかを数値で切り分ける
原因を7つ挙げましたが、実際には「どれが自社に当てはまるのか」が分からないまま代理店と話すことになりがちです。切り分けは、広告費が売上に変わるまでを段階に分け、どこで数字が落ちているかを見るのが最短です。
| 段階 | 見る数値 | ここが低いときに疑うこと |
|---|---|---|
| ① 配信されているか | 表示回数、インプレッションシェア | 予算不足、入札が弱い、ターゲットが狭すぎる |
| ② 興味を持たれているか | CTR | クリエイティブと見出し、ターゲットと訴求のズレ |
| ③ 読まれているか | 直帰率、滞在時間 | 広告とLPの内容の食い違い、表示速度、スマホ表示 |
| ④ 申し込まれているか | CVR、フォーム離脱率 | オファーが弱い、入力項目が多い、価格の不安 |
| ⑤ 商談になっているか | 商談化率、一次接触までの時間 | リードの質、社内のフォロー体制 |
| ⑥ 受注しているか | 受注率、平均単価 | 商材の競争力、価格設定、営業プロセス |
おおまかに、①②は代理店の責任範囲、③④は共同、⑤⑥は発注側の領域です。代理店を変えて改善するのは基本的に①②だけで、③以降がボトルネックの場合は代理店を変えても数字は動きません。逆に、①②が明らかに悪いのに改善提案が出てこないのであれば、代理店側の問題として扱ってよい根拠になります。
この切り分けは、フォーム到達やコンバージョンが正しく計測できていることが前提です。計測が怪しい状態で議論すると、事実ではなく印象の言い合いになります。計測の確認はGA4でコンバージョンが計測されない原因を参照してください。
いつ判断すべきか
「成果が出ない」と感じ始めてから、どのくらいで見直しを判断するのか。この時間軸をあらかじめ決めておくと、感情的な判断を避けられます。
- 配信開始から1か月以内:まだ判断しません。自動入札には学習期間があり、この間は数値が安定しません
- 2〜3か月:①②(表示回数とCTR)が改善しているかを見ます。ここが動いていないのは問題です
- 3〜6か月:CPAと商談化率で評価します。あわせて、改善の打ち手が毎月出てきているかも確認します
- 6か月以降:改善が頭打ちで、かつ新しい提案も出てこない場合は、体制の見直しを検討する段階です
ただし検討期間の長いBtoB商材では、受注までのリードタイムを足して考える必要があります。検討期間が3か月かかる商材で、広告開始から3か月で受注がないことを理由に判断するのは早すぎます。
LnXの見解
「代理店に任せているのに成果が出ない」というご相談を受ける際、実際に診断してみると代理店の運用自体は大きな問題がなく、LPや計測環境、目標設定に原因があるケースも少なくありません。代理店だけを変えても、これらの根本原因が解決されなければ同じ結果になってしまいます。
LnXでは、広告運用そのものだけでなく、LP・計測・戦略設計までを横断して診断することで、「本当の原因がどこにあるか」を切り分けるところから支援しています。
よくある質問
Q代理店を変えれば成果は改善しますか?
原因が代理店の運用スキルにある場合は改善する可能性がありますが、原因が自社側(LPの訴求内容、商材の競争力、目標設定の曖昧さなど)にある場合は、代理店を変えても同じ問題が繰り返されます。まず原因の切り分けを行うことが重要です。
Q代理店とのコミュニケーションで何を確認すればいいですか?
「今月何を変更し、なぜその変更をしたのか」「次月は何を試す予定か」を毎月の定例で確認しましょう。数字の報告だけで終わる定例では、改善のサイクルが回っているかを判断できません。
Qセカンドオピニオンを受けることに問題はありませんか?
契約している代理店に許可を得る必要は基本的にありません。広告アカウントの閲覧権限を渡すだけで、外部の専門家が現状を診断することができます。現状に疑問がある場合は、セカンドオピニオンを受けること自体は一般的な選択肢です。
Q複数の代理店に同時に依頼するのは有効ですか?
媒体を分けて(Google広告はA社、Meta広告はB社など)依頼するケースはありますが、全体の戦略を統括する人がいないと、チャネル間の予算配分が最適化されないリスクがあります。複数社に依頼する場合は、全体を見る顧問やマーケ責任者を別途置くことをおすすめします。
Q成果が出ない場合、どのタイミングで見直すべきですか?
契約から3ヶ月経っても改善の兆しが見えない場合は、一度立ち止まって原因の切り分けを行うタイミングです。ただし、広告運用の改善は数字が安定するまでに一定の期間がかかるため、1ヶ月ごとの数字だけで一喜一憂しないことも重要です。