この記事でわかること
- マーケティング戦略を立てる基本的な手順
- 事業目標から予算を逆算する考え方
- KPIツリーの作り方と、施策の優先順位のつけ方
- 戦略を「絵に描いた餅」にしないための実行の仕組み
マーケティング戦略を立てる基本の流れ
マーケティング戦略と聞くと難しく感じられますが、基本の流れはシンプルです。①事業目標を数値化する、②目標達成に必要な予算を逆算する、③KPIツリーに分解する、④施策の優先順位をつける、⑤実行の仕組みを作る、という5つのステップで整理できます。
ポイント:戦略設計で最も多い失敗は、「広告を出す」「SNSを始める」といった施策から考え始めてしまうことです。必ず事業目標(売上・利益目標)から逆算して考えることが出発点になります。
事業目標を数値に落とし込む
まず、今期・来期の売上目標を確認し、そのうちマーケティング(新規集客)でどの程度の売上を作る必要があるかを明確にします。「売上を伸ばしたい」ではなく、「新規で月〇件の成約、単価〇万円で月商〇万円」というレベルまで数値化することが出発点です。
予算の逆算方法
目標の成約数から、必要な問い合わせ数・広告予算を逆算します。
| ステップ | 内容 | 計算例 |
|---|---|---|
| 1. 必要な成約数 | 目標売上 ÷ 平均単価 | 月商300万円 ÷ 単価30万円 = 10件 |
| 2. 必要な問い合わせ数 | 必要な成約数 ÷ 成約率 | 10件 ÷ 成約率20% = 50件 |
| 3. 必要な広告予算 | 必要な問い合わせ数 × 想定CPA | 50件 × CPA1万円 = 50万円 |
注意:成約率・CPAの想定値は、過去の実績データがあればそれを使い、初めての施策の場合は業界平均や競合の相場感を参考に仮置きします。実際の数値とズレが出たら、都度アップデートしていく前提で進めましょう。
KPIツリーの作り方
予算が決まったら、それを実現するためのKPIをツリー状に分解します。「売上」という最終目標を、「集客数」「成約率」「単価」といった中間指標に分解し、さらに集客数を「広告経由」「SNS経由」「紹介経由」のようにチャネル別に分解していきます。
KPIツリー作成のポイント
- 最終目標(売上・利益)から始めて、上から下へ分解していく
- 各指標は「誰が」「どう改善できるか」が明確になるレベルまで分解する
- チャネルごとに数値を追える体制(計測環境)を並行して整備する
施策の優先順位のつけ方
すべての施策を同時に始めるのではなく、「インパクトの大きさ」と「着手のしやすさ」の2軸で優先順位をつけます。インパクトが大きく、かつすぐに着手できる施策から着手するのが基本です。
- すぐに着手できて効果も出やすい施策:最優先で着手(例:既存LPの改善、計測環境の整備)
- 効果は大きいが着手に時間がかかる施策:次の四半期で計画的に着手(例:新規チャネルの立ち上げ)
- 効果が不確実な施策:小規模でテストしてから本格投資を判断する
戦略を実行に落とし込む仕組み
戦略を立てるだけで満足してしまい、実行フェーズで頓挫するケースは少なくありません。月次・週次で進捗を確認する定例の場を設け、KPIの達成状況と次のアクションを都度確認する仕組みを作ることが重要です。
LnXの見解
マーケティング戦略の相談を受ける際に多いのが、「施策は色々やっているが、事業目標との紐付けができていない」というケースです。広告・SNS・SEOにそれぞれ予算を使っていても、それが最終的な売上目標にどうつながっているかが整理されていないと、優先順位の判断ができません。
LnXでは、事業目標からの逆算を起点に戦略を設計し、その後の実行まで一気通貫で担当することで、「戦略は立てたが実行できない」という分断を防ぐことを重視しています。
よくある質問
Qマーケティング戦略は誰が作るべきですか?
理想的には経営者または事業責任者が事業目標を明確にし、マーケティング担当者や外部の顧問がそれを施策レベルに落とし込む形が望ましいです。事業目標と切り離してマーケ担当者だけで戦略を作ると、事業全体の優先順位とずれるリスクがあります。
Q戦略はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
年次で大きな方針を見直し、四半期ごとに施策の優先順位とKPIの達成状況を確認するのが一般的です。市場環境の変化が大きい場合は、より短いサイクルでの見直しも検討しましょう。
Q小規模な会社でもKPIツリーは必要ですか?
規模にかかわらず有効です。特に施策が複数チャネルにまたがる場合、KPIツリーがないと「何が効いているか」の判断ができなくなります。小規模でもシンプルな形で作っておくことをおすすめします。
Q戦略を立てても実行が伴わない場合はどうすればいいですか?
戦略と実行の担当が分かれている場合によく起きる問題です。戦略設計の段階から実行担当者を巻き込む、または戦略設計と実行を同じ人・同じチームが担う体制にすることで、この分断を防ぎやすくなります。
Q外部の顧問に戦略設計を依頼するメリットは何ですか?
客観的な視点で自社の強み・弱みを整理できること、他社での成功・失敗事例をもとにした判断ができることが主なメリットです。社内だけで議論すると、既存のやり方に引っ張られた戦略になりがちです。