この記事でわかること

  • 広告運用代行の費用を構成する4つの要素(手数料・初期費用・クリエイティブ制作費・内掛け外掛け)
  • 61社調査データに見る手数料率・初期費用・最低運用額の実態
  • 料金体系4パターン(率型・固定型・成果報酬型・ハイブリッド型)の違い
  • 広告費レンジ別の年間総額シミュレーション
  • 見積もりで見落としがちな追加費用
  • 見積もり比較チェックリスト

費用を構成する4つの要素

広告運用代行の「費用」は、単一の金額ではなく複数の要素の組み合わせでできています。見積もりを比較する前に、まずこの4つに分解して考える必要があります。

1

運用手数料

日々の入札調整・レポート作成・報告といった運用業務の対価です。広告費の一定率をいただく「率型」が主流ですが、金額を固定する「定額型」の会社もあります。

2

初期費用

アカウント設計、キーワードやオーディエンスの設計、計測タグの設置にかかる費用です。0円の会社もあれば、数万円〜十数万円を設定する会社もあります。

3

クリエイティブ制作費

バナー・動画・LPの制作費で、運用手数料とは別料金になることが多い項目です。配信面だけでなくクリエイティブとLPで成果が大きく変わるため、含めた総額で比較する必要があります。

4

内掛けか、外掛けか

同じ「予算100万円・手数料20%」でも、100万円の中から手数料を差し引く(内掛け)のか、100万円の広告費に手数料20万円を上乗せする(外掛け=総額120万円)のかで、実際に媒体へ投じられる金額が変わります。

契約前に必ずどちらかを確認する

この4つを分解したうえで、次の章から実際の相場データを見ていきます。

手数料の相場|61社調査に見る実態

広告代理店61社を調査したデータによると、費用の実態は次のようになっています。

項目調査結果
運用手数料料率型を採用する29社のうち26社が「広告費の20%」を採用。多くの会社が手数料に下限(最低手数料)を設定
初期費用調査対象14社のうち9社が0円。残りは0〜10万円程度のレンジ
最低運用額24社のデータで5万〜100万円程度。うち19社が月50万円以下の広告費でも対応
クリエイティブ制作費静止画バナー1本あたり6,000円前後、動画バナー1本あたり15,000円前後、LP制作は25万〜100万円程度が目安

この調査では、「多くの代理店はHPやサービス資料に費用の言及がなく、問い合わせ時に提示している」ことも指摘されています。相場は、あくまで情報を公開している会社から算出された数値である点には注意が必要です(出典:61社を徹底調査!リスティング広告運用代行の手数料・費用相場|株式会社PLAN-B)。

「広告費の20%」は最も多い水準であって、絶対的な相場ではありません。媒体数・業務範囲・広告費の規模によって上下するため、複数社から見積もりを取り、率だけでなく下限額とあわせて比較することをおすすめします。

料金体系4パターン

広告運用代行の料金体系は、大きく次の4パターンに分類できます。

料金体系費用相場向いているケース
①料率型広告費の15〜20%広告費の規模にあわせて手数料も連動させたい
②固定報酬型月10〜50万円広告費が変動しても手数料を一定に保ちたい
③成果報酬型BtoBで1件3〜10万円、EC等で売上の5〜15%初期投資リスクを抑え、成果に応じて支払いたい
④ハイブリッド型固定+成果報酬の組み合わせ基本の運用対価は固定しつつ、成果連動の要素も持たせたい

体系が異なる見積もりを金額だけで並べると、判断を誤りやすくなります(出典:広告運用代行の費用相場|手数料20%は妥当?料金体系4タイプと選び方【2026年】|ローカルマーケティングパートナーズ)。見積もりを受け取ったら、まずどの体系かを確認したうえで比較してください。

リスティング広告の広告グループをLTV別に再編成した構成図と、改善前後のグラフ
LTV 1.6倍(上場人材会社のリスティング広告 LTV最適化)。同じ広告費・同じ手数料率でも、キーワードと広告グループの構成次第で得られる成果は大きく変わります。手数料の多寡だけでなく、運用の設計力を評価軸に加える必要がある一例です。出典:LnX合同会社 支援実績(事例詳細はこちら)

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広告費レンジ別・年間総額シミュレーション

月額の手数料だけでなく、初期費用も含めた「年間総額」で比較すると、印象が変わることがあります。手数料率20%・初期費用5万円・年間のクリエイティブ制作費を12万円と仮定した場合の年間総額の目安は次のとおりです。

月の広告費年間の手数料(20%)初期費用+制作費年間総額の目安
20万円48万円17万円約65万円
50万円120万円17万円約137万円
100万円240万円17万円約257万円
300万円720万円17万円約737万円

広告費が大きくなるほど、初期費用やクリエイティブ制作費が総額に占める割合は小さくなり、運用手数料そのものの多寡が総コストを左右するようになります。逆に広告費が小さいうちは、初期費用の有無や制作費が別料金かどうかが、総額に与えるインパクトが相対的に大きくなります。

見落としがちな追加費用

月額の運用手数料だけを見て契約すると、後から次のような追加費用が発生することがあります。

  • 媒体追加費用:検索広告に加えてSNS広告やディスプレイ広告を追加すると、媒体ごとに手数料が別カウントになる会社があります
  • レポートのカスタマイズ費用:標準レポートは無料でも、訪問での報告や独自フォーマットへの変更は別料金になることがあります
  • 計測環境の構築費用:GA4連携やコンバージョンタグの設置が、初期費用に含まれるか別料金かは会社によって異なります
  • クリエイティブの差し替え費用:月1回までは無料、それ以上は都度課金といった取り決めがあることがあります

「初期費用0円」「手数料15%」という一見安い表記だけで判断すると、後からこれらの費用が積み上がることがあります。見積もり時点で、想定している業務範囲がすべて含まれているかを確認してください。

手数料以外に確認すべき比較軸

金額の比較と同じくらい重要なのが、その金額に何が含まれているかです。

  1. 日々の運用範囲:入札調整・検索語句の整理・除外設定はどの頻度で行われるか
  2. レポートの中身:数値の羅列で終わるか、所感と次月のアクションまで含まれるか
  3. 担当者の体制:1人あたり何社を掛け持ちしているか
  4. アカウントの帰属:解約時に自社名義で保有・引き継ぎができるか

同じ手数料率・同じ金額でも、この4点が異なれば実質的な価値はまったく違います。金額を比較する前に、まずこの4点を揃えて聞くことをおすすめします。

特に見落とされがちなのが担当者の体制です。同じ「専任担当者が付きます」という説明でも、その担当者が同時に何社を掛け持ちしているかで、1社あたりにかけられる時間はまったく変わります。繁忙期に運用が手薄になりやすいのはこのパターンで、契約前に「1人あたり何社を担当していますか」と聞いておくと、見えにくいリスクを事前に減らせます。

見積もり比較チェックリスト

広告運用代行の見積もりを比較する前のチェックリスト

【金額の分解】

  • 手数料率とあわせて、最低手数料(下限)の金額を確認した
  • 初期費用の有無と、含まれる作業内容を確認した
  • クリエイティブ制作費が別料金かどうかを確認した
  • 内掛けか外掛けかを確認した

【中身の確認】

  • 日々の運用範囲(入札調整・検索語句の整理)を確認した
  • レポートに所感と次月の打ち手が付くかを確認した
  • 媒体を追加した場合にいくら増えるかを確認した

【契約と資産】

  • 広告アカウントを自社名義で保有・開示してもらえるか確認した
  • 最低契約期間と、途中解約時の扱いを確認した

なお、契約書の条項そのものの解釈、とくに途中解約時の扱いやアカウントの帰属に関する個別の判断については、弁護士等の専門家にご確認ください。

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LnXの見解

「広告運用代行 費用」で相談を受けるとき、最初に伝えているのは「手数料率だけでは、その見積もりが高いのか安いのか判断できない」ということです。同じ20%でも、下限の有無、クリエイティブ制作費が含まれるか、レポートの中身によって、実質的な価値はまったく違います。

当社の場合、運用手数料は広告出稿金額の20%で、出稿金額が50万円に満たない場合は10万円(税込)を頂戴しています。広告費は別途、クリエイティブ制作は手数料に含まれず別途お見積りです。この体系を隠さずお伝えしているのは、比較のときに「何が含まれていて、何が含まれていないか」を先に知っていただいたほうが、後のトラブルが少ないと考えているためです。最低契約期間は6か月で、ご相談は無料、その場で契約はお願いしていません。

いまお使いの代理店の見積もりが妥当かどうか判断がつかない場合は、その見積もりをそのままお持ちいただいても構いません。含まれる作業内容を一緒に分解しながら、妥当性をお伝えすることができます。

よくある質問

Q広告運用代行の手数料は何%が相場ですか?

61社の調査では、料率型を採用する29社のうち26社が広告費の20%を手数料に設定していました。20%はあくまで最も多い水準であり、媒体数や業務範囲によって上下します。手数料率だけでなく、最低手数料(下限)の有無もあわせて確認してください。

Q初期費用は必ずかかりますか?

必須ではありません。調査対象14社のうち9社は初期費用を0円としていました。ただし初期費用が0円の場合、アカウント設計や計測タグ設置の工数が月額手数料側に含まれているだけのこともあるため、初期費用の有無だけで総額の安さを判断しないほうが安全です。

Q最低広告費はいくらから対応してもらえますか?

調査対象24社のうち19社が、月50万円以下の広告費でも運用を受け付けていました。ただし手数料率型の場合、広告費が小さいと最低手数料(下限)が効いて実質の負担率が上がるため、少額から始めるなら定額プランを持つ会社もあわせて検討する価値があります。

Q内掛けと外掛けは、見積もり比較でどちらが有利ですか?

どちらが有利ということはなく、比較する際に統一する必要がある、という話です。同じ「予算100万円・手数料20%」でも、内掛け(100万円の中から手数料を差し引く)なら媒体に投じられるのは80万円、外掛け(100万円に手数料を上乗せ)なら総額120万円で媒体には100万円投じられます。見積もりを並べるときは必ずどちらの方式か確認してください。

Qクリエイティブ制作費は手数料に含まれますか?

会社によります。61社の調査では、静止画バナー1本あたり6,000円前後、動画バナー1本あたり15,000円前後、LP制作は25万〜100万円程度が目安とされていますが、これらが月額手数料に含まれるか、別料金かは会社ごとに大きく異なります。見積もり時に必ず内訳を確認してください。

Q見積もりを比較するとき、金額以外に何を見るべきですか?

同じ金額に何が含まれているかです。日々の入札調整、検索語句の整理、レポートの頻度と内容、担当者の体制(人数・掛け持ち数)の4点は、金額の高低にかかわらず必ず確認してください。同じ手数料率でも、含まれる作業量は会社によって大きく異なります。

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