この記事でわかること

  • レスポンシブ検索広告が何を自動で組み合わせているのか
  • 見出しを作るときの起点と、避けるべき重複
  • 訴求の型を散らすための6つの切り口
  • ピン留め(位置の固定)を使うべき場面・避けるべき場面
  • 「広告の有効性」をどこまで気にするか
  • アセット単位の成績を見て入れ替える基準

RSAは何を自動化しているか

レスポンシブ検索広告(RSA)は、複数の見出しと説明文を登録しておくと、検索語句やユーザーの状況に応じてGoogleが組み合わせを選んで表示する形式の広告です。以前のように「この見出しとこの説明文」という完成形を入稿するのではなく、部品を渡して組み立てを任せる形になります。

この仕組みで理解しておくべきなのは、広告主が管理するのは「部品の質」と「組み合わせの制約」だけだという点です。どの組み合わせが表示されるかは選べません。したがって重要になるのは、どの組み合わせで表示されても意味が通り、かつ訴求として成立しているかという設計です。

よくある事故:見出しに「業界最安値」「初期費用0円」「今なら半額」と並べると、これらが同時に表示されたときに実態と異なる印象になることがあります。組み合わせは選べないため、「どの2〜3個が並んでも問題ないか」を入稿前に確認してください。特に価格や条件に関する文言は注意が必要です。

見出しの作り方

見出しを作るときの起点は、キーワードとリンク先の2つです。

1

キーワードの語を含む見出しを必ず用意する

検索した言葉が広告文に入っていると、ユーザーは「自分が探しているものだ」と認識しやすくなります。広告グループに入っているキーワードの語を、そのまま含む見出しを最低1〜2本は用意してください。ここが弱いと、広告の関連性の評価にも影響します。

広告グループを意味の単位で切っていれば、この作業は難しくない
2

リンク先に書かれていることだけを書く

広告文で約束した内容がページ上にないと、クリックした人はすぐ離脱します。「無料相談」と書くならページに無料相談の導線があること、「即日対応」と書くならその記載があること。これはランディングページの利便性の評価にも関わります。

広告文だけを盛ると、クリック率は上がるがCVRは落ちる
3

同じ意味の見出しを並べない

「格安で対応」「リーズナブルな価格」「コストを抑えて」は、言い方が違うだけで同じ訴求です。これらを並べても、どの組み合わせで表示されても伝わる内容が変わらず、検証の意味がありません。数を埋めるために言い換えを増やすのは避けてください。

見出しを追加する前に「これは新しい切り口か」を確認する
4

単独で意味が通る形にする

「〜だから」「〜の場合は」のように、他の見出しに続くことを前提とした文は避けてください。組み合わせは選べないため、途中で切れたような表示になります。1本ずつが独立して読める形にしておくのが原則です。

入稿前に、見出しを単独で読んで違和感がないか確認する

訴求の型を散らす6つの切り口

見出しの数を確保しつつ、意味の重複を避けるには、あらかじめ切り口を決めて1本ずつ埋めるのが効率的です。

切り口 書く内容 例のイメージ
検索語句の再掲 キーワードの語をそのまま含める 「広告運用代行をお探しの方へ」
対象の明示 誰向けかを絞る 「中小企業・少額予算に対応」
課題への言及 読み手の困りごとを言語化する 「成果が出ない原因から診断」
提供内容の具体 何をするのかを明示する 「配信設定から改善まで一気通貫」
安心材料 実績・体制・条件 「アカウントは御社名義で運用」
行動の後押し 次にどうすればよいか 「まずは無料でご相談ください」

説明文も同じ考え方で:説明文は見出しより文字数があるため、見出しで言い切れなかった補足や、条件・根拠を書く場所として使います。ここでも同じ内容を繰り返さず、見出しと説明文で役割を分けてください。

ピン留めの判断基準

RSAでは、特定の見出しや説明文を「必ずこの位置に表示する」と固定できます。これがピン留めです。便利な機能ですが、使うほど組み合わせの自由度が下がり、自動最適化の余地が減ります。

状況 ピン留め 理由
法令・業界ルールで必須の表記がある する 表示されないと問題になる
価格の但し書きが必要 する 誤認を避ける必要がある
ブランド名を必ず出したい 検討する 指名想起が目的なら合理的
この訴求を推したい しない 成果は検証で決めるべき
表示のされ方を揃えたい しない 自由度を下げるだけになりがち
すべての見出しを固定したい しない RSAを使う意味がなくなる

判断の軸は「その文言が表示されないと問題が起きるか」です。問題が起きるならピン留めし、単に自分が推したいだけならピン留めせずに検証に委ねる。この線引きをしておくと、ピン留めが増えすぎる事態を防げます。

「広告の有効性」の扱い方

入稿時に表示される「広告の有効性」は、入稿内容の充実度を示す指標であって、成果を保証するものではありません。「低い」でも配信はできますし、「優良」でも成果が出るとは限りません。

ただし、有効性が低いときには具体的な改善提案が併せて示されます。「見出しを追加してください」「見出しの文言が似ています」「キーワードを含めてください」といった内容は、実際に改善余地を示していることが多いため、確認する価値はあります。

有効性を上げること自体を目的にしない:ピン留めを外せば有効性の表示は上がりますが、必須の表記まで外してしまうと本末転倒です。表示上のラベルではなく、クリック率とコンバージョンで判断してください。

入れ替えの基準

RSAでは、登録したアセット(見出し・説明文)ごとにパフォーマンスの評価が表示されます。これを使って入れ替えを判断します。

広告文の運用チェックリスト

【入稿前】

  • キーワードの語を含む見出しを1〜2本用意した
  • 訴求の切り口が重複していないか確認した
  • 各見出しが単独で意味が通ることを確認した
  • どの組み合わせで並んでも問題ないか確認した
  • 広告文の内容がリンク先ページに実在する

【運用中】

  • アセット単位の評価を定期的に確認している
  • 「低」の評価が続くアセットを把握している
  • 入れ替えは一度に全部ではなく一部にとどめている
  • 入れ替えた日付を記録している

【判断基準】

  • 判断できる量のクリックが溜まってから評価している
  • クリック率だけでなくCVも合わせて見ている
  • ピン留めが増えすぎていないか点検した
  • 広告本数が多すぎて配信が分散していないか確認した

入れ替えのときに注意したいのが、一度にすべてを差し替えないことです。全部変えると、良かった部分まで失われ、学習もやり直しになります。評価の低いものから2〜3本ずつ入れ替え、変化を見てから次に進んでください。

Web広告運用代行

広告文の設計から検証サイクルまで、まるっと巻き取ります

「何本作ればいいのか」「どれが効いているのか分からない」という状態では、広告文の改善は進みません。LnXの広告運用代行では、訴求の設計から入れ替えの判断、リンク先との整合まで含めてご支援します。現在のアカウントを拝見しての診断も可能です。

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LnXの見解

RSAの入稿を拝見していて最も多いのが、見出しが言い換えで埋まっている状態です。「安い」「低価格」「リーズナブル」と並んでいると、どの組み合わせで表示されても伝わることが変わりません。これでは自動で組み合わせる仕組みが機能する余地がなく、検証しても差が出ないため改善が止まります。数を揃えることより、切り口を散らすことを優先してください。

ピン留めについては、「増えすぎているアカウントほど成果が伸びていない」というのが実感です。すべての位置を固定すると、実質的に従来型の広告と変わらなくなります。表示させたい理由が「必須だから」ではなく「自分が推したいから」であれば、その判断は検証に委ねたほうが、結果的に良い訴求が見つかります。

そして、広告文の改善はリンク先とセットで考えるべき領域です。広告文だけを魅力的にすると、クリック率は上がってもCVRが落ち、CPAはかえって悪化します。広告で約束したことがページに書かれているか、その約束が事実として提供できるか。ここが揃って初めて、広告文の改善が成果につながります。LnXでは広告・LP・計測を同じ担当が見るため、広告文を変えるべきか、ページを変えるべきかを切り分けたうえでご提案しています。

よくある質問

Q 見出しは最大数まで埋めるべきですか?

埋められるなら埋めたほうが組み合わせの幅は広がりますが、無理に数を揃えて似た文言を並べるのは逆効果です。同じ意味の見出しが複数あると、どの組み合わせで表示されても訴求が変わらず、検証の意味がなくなります。まずは訴求の型が異なる見出しを確保し、そのうえで数を増やしてください。数より、切り口が散っているかが重要です。

Q ピン留めは使わないほうがよいのですか?

使わないほうが組み合わせの自由度は上がりますが、必須の表記がある場合は使うべきです。たとえば法令や業界ルールで必ず入れなければならない文言、価格の但し書き、ブランド名の位置を固定したい場合などが該当します。判断基準は「その文言が表示されないと問題が起きるか」で、単に自分が推したい訴求というだけならピン留めしないほうが結果的に成果は安定します。

Q 広告の有効性が「低い」のままでも配信して問題ありませんか?

配信自体は可能です。広告の有効性は入稿内容の充実度を示す指標で、成果を保証するものではありません。ただし「低い」と表示されている場合、見出しの数が足りない、文言が似すぎている、キーワードとの関連が弱いといった具体的な改善提案が併せて示されるため、内容を確認する価値はあります。有効性の表示を上げること自体を目的にしないでください。

Q 広告は1つの広告グループにいくつ入れるべきですか?

検証したい切り口が明確にあるなら2本、そうでなければ1本で構いません。本数を増やすほど1本あたりの配信量が減り、どれが良いのか判断できるまでに時間がかかります。少額予算の場合はとくに、本数を絞って1本に配信を寄せたほうが早く結論が出ます。

Q どのくらいの期間で広告文を入れ替えるべきですか?

期間ではなく、判断できるデータが溜まったかで決めてください。クリック数が数十件程度では偶然の差を見ている可能性があります。アセット単位の成績で「低」と表示され続けているものから入れ替えるのが実務的です。ただし入れ替えると再び学習が必要になるため、毎週すべてを差し替えるような運用は避けてください。

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