この記事でわかること

  • 内製・外注・折衷の3パターンで実際にかかるコスト
  • 専任担当を採用する場合の、年収以外に発生する費用
  • 中小企業で最も現実的な「判断は社内・作業は外」の設計
  • 内製化に切り替えてよいタイミングの判断基準

まず3パターンを並べる

オウンドメディアの体制は、内製・外注の二択ではありません。実務では「判断は社内、作業は外」という折衷が最も多く、これを含めた3パターンで比較すると判断しやすくなります。

観点完全内製完全外注折衷(判断は社内)
初期の立ち上がり遅い(採用・教育が必要)速い速い
本数あたりの単価本数が多いほど有利本数に比例して増える中間
一次情報の入れやすさ入れやすい取材工数が必要入れやすい
ノウハウの蓄積残る契約次第で残らない残る
担当者の退職リスク大きい小さい中程度
向いている状況月10本以上を長期継続短期で立ち上げたい中小企業の大半

内製のコストは年収だけでは測れない

専任担当を採用する場合、実際に発生するのは給与だけではありません。

専任1名を置いたときに発生する費用

  • 年収(Webマーケティング担当の水準)
  • 社会保険料の会社負担分(概算で年収の15%程度)
  • 採用エージェント費用(想定年収の30〜35%が相場)
  • 教育・オンボーディングにかかる既存社員の時間
  • ツール利用料(順位計測・分析ツール等)

詳しい試算はマーケ責任者は採用すべきか外注すべきかで整理していますが、実質コストは年収の1.5倍近くになる前提で考えるのが安全です。加えて、採用してから戦力化するまでの数か月は記事が出ません。

見落とされがちな点:内製の最大のリスクは費用ではなく属人化です。1名体制の場合、その人が辞めた瞬間に更新が止まります。実際、更新が止まったオウンドメディアの多くはこのパターンです。

外注のコストと、その内訳

外注の場合、費用は支援範囲で決まります。運用代行の月額は、最小限のサポートで無料〜1万円、簡易レポート込みで5〜20万円、記事制作を含む本格的な運用支援で20万円以上が目安です。記事制作を月5〜10本含めると月額30〜50万円、戦略・マーケティングのコンサルティングは月額10〜30万円という設計がよく見られます(出典:オウンドメディア構築・運用の費用相場は?【2026最新版】|Web幹事)。

注目したいのは、「記事を作る費用」と「何を書くか決める費用」が別枠になっている点です。これは業界の標準的な設計であり、裏を返せば戦略部分は社内に残せる余地があるということでもあります。

中小企業で最も現実的な折衷案

結論として、多くの中小企業に合うのは次の切り分けです。

🧭

社内に残す:キーワードと狙い

どの語で誰を集めるか、その記事をどこへ送客するか。事業を理解している人でないと決められない。

📊

社内に残す:一次情報

実績数値、現場の判断基準、失敗事例。ヒアリングに応じる時間さえ取れれば社内で出せる。

✍️

外に出す:制作と入稿

構成設計、執筆、HTML化、内部リンク、公開作業。手を動かす工程はまとめて外に出す。

📈

外に出す:計測とリライト判断

順位・表示回数・CTRの推移からリライト対象を抽出する工程。ツールと運用の慣れが要る。

この形なら、社内の稼働はキーワードの承認とヒアリングの時間だけで済みます。専任を置かずに本数を出せるうえ、判断が社内に残るためノウハウも蓄積されます。

内製化に切り替える判断基準

外注から内製へ移すタイミングは、感覚ではなく次の条件で判断してください。

この3つが揃ったら内製化を検討してよい

  • 月あたりの入稿本数が安定し、記事の型が固まっている
  • リライト対象を自社の数値判断で選べるようになっている
  • 担当者が1名ではなく、最低2名で回せる体制が組める

逆に、この3つが揃わないうちに内製へ切り替えると、更新が止まるリスクが高くなります。内製化を支援会社に依頼する場合は、運用タスクの手順化と担当者への研修、移管後の運用チェックまで含まれているかを確認してください。

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LnXの見解

内製か外注かという問いは、多くの場合「判断まで外に出すか」という問いに置き換えられます。作業を外に出すのは合理的ですが、判断まで外に出すと、社内に何も残らないまま費用だけが続きます。

LnXは自社のオウンドメディアで、判断(キーワード選定・記事の狙い・一次情報の定義)を実務経験者が担い、作業(構成設計・本文生成・HTML入稿・内部リンク・sitemap更新)をAIが担う体制を運用しています。約3か月で113記事、ページ表示回数は約7倍、問い合わせは約15倍になりました。専任のライターを採用したわけではありません。

近年は、この「作業側」をAIで圧縮できるようになったことで、内製と外注の損益分岐点そのものが動いています。従来なら月10本を出すために専任が必要でしたが、手順が定義されていれば少人数でも回せます。体制を決める前に、まず作業のうちどこまでが定型化できるかを見てください。そこを圧縮したうえで、残った判断部分に人を充てるのが、いま最もコスト効率のよい設計です。

よくある質問

Q内製と外注、どちらが安いですか?

本数によります。月2〜3本程度なら外注のほうが安く、月10本以上を継続するなら専任を置いたほうが1本あたりの単価は下がります。ただし専任採用は年収以外に社会保険料の会社負担分(概算で年収の15%程度)や採用エージェント費用(想定年収の30〜35%が相場)が発生するため、実質コストは年収の1.5倍近くになる前提で試算してください。

Q未経験の担当者に任せても大丈夫ですか?

記事を書くこと自体は学べますが、キーワードの選定と検索意図の読み方は経験がないと精度が上がりません。未経験者に任せる場合は、最初の3〜6か月だけ外部の実務経験者に設計を依頼し、型ができてから引き継ぐ形が現実的です。

Q外注するとノウハウが社内に残らないのでは?

契約の作り方次第です。キーワード選定の根拠、記事構成の型、リライトの判断基準を毎回共有してもらう契約にすれば、ノウハウは残ります。逆に納品物だけを受け取る契約では残りません。契約前に「何を渡してもらえるか」を確認してください。

Q途中で内製に切り替えることはできますか?

可能です。運用タスクの手順化と担当者への研修を含む移管を、オプションとして用意している支援会社もあります。切り替えのタイミングとしては、月あたりの本数が安定し、リライト対象を自社で判断できるようになった段階が目安です。

Q記事作成だけ外注して、戦略は社内で持てますか?

それが最も費用対効果の高い形です。代行会社のプランでも、記事制作(月5〜10本で月額30〜50万円)と戦略・マーケティングのコンサルティング(月額10〜30万円)は別枠で設計されているのが一般的です。判断を社内に残し、作業だけ外に出す切り分けは合理的です。

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