この記事でわかること

  • リニューアル後に問い合わせが減った原因を、3つのパターンで切り分ける方法
  • Search ConsoleとGA4で、リニューアル日の前後を比べる手順
  • URL変更・フォーム・計測タグなど、リニューアルで起きやすい不具合の確認点
  • 直す順番と、元に戻す・外部に相談する判断の目安

結論:リニューアル後に問い合わせが減る原因は、「①検索からの流入が減った」「②流入は同じなのに、問い合わせに進む人が減った」「③問い合わせは来ているのに、数字として数えられていない」の3つのどれかです。まずリニューアル日の前後28日で、検索のクリック数とサイトの訪問数、実際の問い合わせ件数を並べてください。どれが動いたかで、見るべき場所が決まります。

3つのパターンに切り分ける

「リニューアルしたのに問い合わせが減った」とき、感覚でデザインを疑う前に、数字で3つに分けます。

パターン数字の動き疑う場所
① 流入が減ったSearch Consoleのクリック数・表示回数が、リニューアル日を境に下がったURL変更、リダイレクト、noindex、ページ内容の削除
② 流入は同じ・問い合わせが減った訪問数は横ばいなのに、問い合わせ件数が下がった電話・フォームの位置、入力項目、掲載情報の削除、表示速度
③ 数えられていない実際の受信は来ているのに、GA4のコンバージョンが0に近い計測タグの脱落、完了ページURLの変更、イベント条件のずれ

比べ方は次のとおりです。Search Consoleの「検索パフォーマンス」で期間を「リニューアル日以降28日」と「その直前の28日」に設定して比較し、クリック数と表示回数を見ます。(出典:検索パフォーマンス レポート|Search Console ヘルプ)GA4では同じ期間のセッション数を見ます。問い合わせ件数は、メール・電話・フォームの受信記録を自分で数えた数字を基準にしてください。GA4の数字だけを基準にすると、③を見落とします。

① 流入が減った:URLと検索設定の確認

クリック数や表示回数がリニューアル日から落ちている場合は、検索エンジンから新しいページが正しく引き継がれていない可能性があります。Googleは、URLが変わるサイト移転について、旧URLから新URLへの永続的なリダイレクトの設定、URL対応表の作成、公開後の監視などを求めています。(出典:URL が変更されるサイト移転のベスト プラクティス|Google 検索セントラル)

この資料をもとに、確認する点を絞ると次のとおりです。

  • 旧URLが新URLに飛ぶか:検索で見つかっていた主要なページのURLを開き、対応する新ページに移るか確認します。トップページへ一括で飛ばす設定は、関連の薄い転送になるため避けるよう示されています
  • 開発中の設定が残っていないか:テスト中に入れたnoindexやrobots.txtのブロックが、公開後も残っている例はよくあります。公式資料でも、移転開始時に外すよう示されています
  • サイトマップが新URLになっているか:古いURLのままだと、新ページの発見が遅れます
  • リダイレクトの重なり:旧→中間→新と何段も経由せず、最終の宛先へ直接向ける形が望ましいとされています
  • ページ自体の削除:検索で見つかっていた悩み別ページやブログ記事を、リニューアルで削除・統合していないか。ここがいちばん影響が大きい場合があります

また、公式資料では、順位は移転中に一時的に変動することがあり、時間とともに安定するとされています。したがって、リダイレクトや設定に問題がなく、変動が数週間で戻りつつあるなら、待つ判断もあります。問題が見つかったときは、そこを直すのが先です。

② 流入は同じなのに、問い合わせが減った:導線と掲載情報

訪問数が横ばいなら、検索の問題ではなく、サイト内で相談に進む人が減っています。旧サイトと新サイトを並べて、次の点を比べてください。

旧サイトと新サイトの比較チェック

  • 電話番号とフォームへのボタンは、旧サイトと同じくらい目立つ位置にあるか(スマホで見て確認)
  • 電話番号をタップして発信できるか
  • フォームの入力項目は増えていないか。必須項目が増えていないか
  • 料金の目安・対応エリア・実績・お客様の声など、決め手になっていた情報が削られていないか
  • ページの表示が遅くなっていないか。大きな画像や動画で重くなっていないか
  • トップページの最初の画面で、何の会社か・誰向けかがすぐ分かるか
  • リニューアルで、問い合わせ前の疑問に答えるページ(よくある質問など)が減っていないか

デザインを新しくすると、見た目を優先して情報を絞ることがよくあります。新規のお客様が決め手にしていた情報が消えていないかは、デザインの良し悪しより先に確認する価値があります。あわせて、GA4で問い合わせページに到達した人の数と、実際に送信した人の数を見ると、フォームで止まっているかが分かります。フォームの計測はフォームの離脱はどこで起きている?GA4でフォーム入力を計測する設計手順が参考になります。

③ 来ているのに、数えられていない:計測の脱落

リニューアルでは、サイトの作りごと入れ替わるため、計測の設定が外れることがあります。次の3つが典型です。

  • 計測タグが新サイトに入っていない:Googleタグマネージャーのコンテナコードを移し忘れると、GA4のデータが途切れます。GA4のリアルタイムレポートで、自分のアクセスが映るか確認します
  • 完了ページのURLが変わった:「送信完了ページに到達したらコンバージョン」という条件にしている場合、URLが変わると条件に合わなくなり、件数が0になります
  • ボタンやフォームの構造が変わった:クリックを条件にしたタグは、ボタンのクラス名や位置が変わると動かなくなります

確認の方法は、GTMのプレビューで新サイトに接続し、問い合わせの操作をして、タグが動くか見ることです。接続できないときはGTMのプレビューが接続できない原因と直し方を参照してください。原因の見つけ方はGA4でコンバージョン計測できない原因と確認ポイントにも整理しています。

実際の問い合わせ(メール・電話の受信)がリニューアル前と同じ水準なら、問題は③であり、サイトの成果は落ちていません。数えられていないだけの場合は、計測を直せば解決します。

直す順番と、元に戻す判断

複数の問題が同時に見つかることもあります。次の順番で直すと、効果を確かめながら進められます。

  1. 計測を直す(③)。以降の判断の土台になるため、最初に行う
  2. noindexやrobots.txtの残り、サイトマップ、リダイレクト漏れを直す(①のうち、設定で直せるもの)
  3. 電話・フォームの導線と、削られた掲載情報を戻す(②)
  4. 削除したページのうち、検索で見つかっていたものを復活または転送する(①のうち、内容に関わるもの)

一度に変えすぎると、どれが効いたか分からなくなります。公式資料でも、一度に変更する内容は絞ると、問題の切り分けがしやすいとされています。

元のサイトに戻すかどうかは、問い合わせの減り方と、原因の特定にかかる時間で判断します。急減していて、1〜2週間で原因が分からない場合は、影響の大きいページだけ旧構成に戻す方法もあります。サイト全体を戻す判断は、データ移行のやり直しが必要になるため、最後の手段です。

数字の見方がつかめない、制作会社の説明に納得できないという場合は、第三者の目を入れる段階です。その際、法的な契約(制作会社との責任範囲や納品物の条件)に関わる判断は、弁護士など専門家への確認をおすすめします。

LnXの見解

リニューアルは「見た目を新しくする作業」と捉えられがちですが、検索から見ればサイトの引っ越しです。デザインの出来より先に、URLの引き継ぎ、公開時の設定、計測の移行が確実に行われているかが、問い合わせの数字を左右します。リニューアルを依頼するときは、上記4点(リダイレクト対応表、noindexの解除、計測タグの移行、フォームの動作確認)を、納品条件に入れておくことをおすすめします。

LnXのマーケティング顧問制度は、数字を一緒に見て、優先順位を決め、実行までを伴走する形です。LPに掲載している料金は月8万円から、CMO代行は月50万円〜(個別設計)で、最低契約期間は原則3か月です。実作業(制作や広告運用など)は別途お見積りとなります。まずは無料相談で、止まっている段階の見立てだけをお出しすることもできます。

マーケティング顧問制度

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よくある質問

Qリニューアル後、順位が一時的に下がるのは普通ですか?

Googleの公式ドキュメントでは、サイト移転の際に順位が一時的に変動することがあり、時間とともに安定するとされています。一方で、リダイレクトの漏れやnoindexの残りがあると下がったままになるため、変動と不具合を見分けるために、設定の確認を先に行ってください。

Qリニューアル前のデータが残っていません。比較できますか?

Search Consoleは直近16か月分の検索パフォーマンスを確認でき、GA4にも過去の期間が残っています。リニューアル日の前後28日を並べて比較してください。計測そのものを入れ直した場合は、問い合わせ件数(メール・電話・フォームの受信記録)を基準にします。

Q元のサイトに戻したほうがよいですか?

最初から戻すのは推奨しません。原因が特定の箇所(リダイレクト漏れ、フォームの位置、タグ脱落など)に絞れることが多く、部分的に直すほうが早くて安全です。ただし、問い合わせが急減し、原因の特定に時間がかかる場合は、一部のページだけ旧構成に戻す判断もあります。

Qリニューアルを依頼した制作会社に、何を確認すればよいですか?

旧URLから新URLへのリダイレクト対応表の有無、公開時にnoindexやrobots.txtのブロックを外したか、計測タグ(GTM・GA4)を移したか、フォームの動作確認を済ませたか、の4点です。

Q問い合わせが減ったのは、リニューアルとは別の理由かもしれません。どう見分けますか?

同じ時期の季節要因や広告費の増減、競合の動きでも数字は動きます。リニューアル日の前後で、Search Consoleの表示回数とクリック数、広告の出稿量、問い合わせ件数を並べ、動いた順番を確認してください。

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