この記事でわかること

  • 価格を書かないLPで、実際に何が起きているか
  • 出す・出さないを決める4つの判断軸
  • 価格の見せ方4パターンと、向いている商材
  • 「出さない」を選ぶ場合に代わりに書くべきこと
  • 価格表示で気をつける景品表示法まわりの論点
  • CVRだけで判断しないための効果の測り方

価格を書かないと、実際に何が起きているか

「料金はLPに載せるべきか」は、広告のリンク先を作るときにほぼ必ず出てくる論点です。多くの場合、載せない理由は「安いと思われたくない」「高いと思われて離脱される」「案件ごとに違うので書けない」のいずれかです。どれも理屈としては分かりますが、載せなかったときに何が起きるかまで想定できているケースは多くありません

価格を書かないLPでは、次の2つが同時に起こります。

  • 問い合わせが減る:価格が判断材料の上位にある人は、書いていない時点で他社に移ります。特に比較検討中の層で顕著です
  • 問い合わせの中身が変わる:価格を知らずに問い合わせるため、初回商談で予算が合わないことが分かる件数が増えます

逆に価格を書くと、問い合わせ件数は減ることが多い一方で、商談に進む割合は上がりやすくなります。つまりこれは「CVRが上がる書き方」を探す論点ではなく、営業の手前で誰をふるいにかけるかを決める論点です。

判断の基準は「CVRが上がるか」ではなく「商談1件あたりのコストが下がるか」です。問い合わせが2割減っても、予算の合わない商談が半分になれば、営業の稼働あたりの成果は改善します。CVRだけを見ていると、この改善を「悪化」と読み違えます。

出す・出さないを決める4つの判断軸

一律の正解はありません。次の4つを自社に当てはめて、多数決で決めるのが実務的です。

判断軸出したほうがよい出さない選択もありうる
価格の決まり方定価やプラン価格がある。条件が変わっても幅が小さい要件ヒアリングで金額が数倍動く。都度見積もりが前提
相場との位置相場並み、または相場より安い相場より高く、理由の説明に相応の文章量が必要
流入している検討段階「費用」「相場」「比較」など、価格を調べている検索・広告からの流入が多いまだ課題に気づいた段階の潜在層が中心
営業体制商談枠が限られており、確度の高い相手に絞りたい商談数を積んで見込みを育てる体制がある

4つのうち3つ以上が左に寄るなら、価格を出す前提で設計してください。判断が割れる場合は、まず出してみて、商談化率と平均単価の変化で戻せばよいという順序が扱いやすくなります。書いた価格を消すより、書いていない価格を足すほうが検証としては早く終わります。

価格の見せ方4パターン

「出す/出さない」の二択ではありません。実務では次の4パターンのどれかに落ち着きます。

A

定価・プラン価格をそのまま出す

プランを2〜3つ並べ、それぞれの金額と含まれる範囲を書く形です。含まれないもの(実費・オプション・初期費用)を同じ画面に書けるため、問い合わせ後の食い違いが起きにくくなります。サービス内容が標準化されている商材に向きます。

  • プランは3つまで。4つ以上は選べなくなり、比較の負荷が上がります
  • 「含まれないもの」を必ず併記します。ここを省くと商談で信頼を失います
B

下限を示す(「〇〇円〜」)

最小構成の金額だけを示す形です。予算が明らかに合わない相手をふるいにかけられる一方、実際の平均単価と乖離が大きいと、商談で金額を聞いた瞬間に離脱されます。下限と実際の中心価格が2倍以上離れている場合は、この形は向きません。

C

レンジ(幅)で示す

「30万円〜80万円」のように幅で示し、何が金額を動かすのか(対応範囲・期間・分量)を並べて書く形です。個別見積もりが前提の商材でも書けるため、実務では最も採用しやすいパターンです。幅の広さそのものが説明になるよう、変動要因を必ずセットにします。

D

価格例(モデルケース)で示す

「従業員20名・拠点1か所の場合:初期〇円+月額〇円」のように、前提条件つきの具体例を2〜3件並べる形です。読み手が自社に近いケースを選んで当てはめられるため、レンジより納得感が出ます。前提条件を小さく書かず、金額と同じ大きさで示すのが条件です。

迷ったらCかDから始めてください。個別見積もりの商材でも、金額が動く要因を書けば幅は示せます。「お問い合わせください」とだけ書いてあるページと比べて、読み手が自分で判断できる材料が一段増えます。

「出さない」を選んだ場合に、代わりに書くこと

出さないと決めた場合でも、価格の欄を空白にしてよいわけではありません。読み手の「いくらか分からない」という不安は残ったままなので、それを別の情報で埋める必要があります。

  1. 金額が決まる要素を書く:「対応範囲」「期間」「拠点数」など、何によって金額が動くかを3〜5個列挙します
  2. 見積もりまでの流れと日数を書く:「ヒアリング30分 → 3営業日で概算 → 詳細見積もり」のように、いつ金額が分かるかを明示します
  3. 発注規模の分布を示す:金額そのものを書かなくても、「ご依頼の多くは〇〇規模の企業様です」という表現で対象を伝えられます
  4. その場でいくらか分かる入口を置く:簡易見積もりフォーム、料金表のダウンロード、無料診断など、次の一手で金額に近づける導線を用意します

入口のオファーをどう選ぶかは、LPのオファー設計はどう決める?無料相談・資料請求・診断の使い分けとリードの質で整理しています。

金額を書く以上、表示のルールがついてきます。細かい判断は個別に確認が必要ですが、LPで実際に問題になりやすいのは次の4点です。

論点起きやすい状態対応
税込・税別の表記どちらか書いていない/ページ内で混在している消費者向けの価格表示には総額表示が求められます。自社の取引がどちらに当たるかを確認し、ページ内で表記を統一します
二重価格・値引き表示比較対照価格の根拠が説明できない「通常価格」として示す金額に、実際の販売実績など説明できる根拠があるかを確認します
打消し表示「※条件により変動します」が極端に小さい文字や別ページにある金額と同じ画面・読める大きさに置きます。スマホ表示で確認します
期間限定価格「今だけ」を常時掲載している期間を明記し、終わったら実際に戻します。戻さない運用は避けます

制作を外注していても、表示の責任を負うのは広告主です。制作会社が用意した文言でも、そのまま公開すれば自社の表示になります。金額まわりの文言は、根拠資料とセットで社内に残してください。表現全般のチェック手順はLPの訴求は景品表示法に触れていないか?打消し表示・体験談・No.1表示のチェック手順にまとめています。

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広告側と揃えないと、価格表示は機能しない

LPの価格表示は、そこに来るまでの広告とセットで初めて意味を持ちます。次の3つは必ず揃えてください。

  • 広告文とLPの金額を一致させる:広告に「月額〇円〜」と書いてLPに金額がない、あるいは金額が違うという状態は、離脱の直接的な原因になります
  • 価格を出さないなら、広告でも金額を匂わせない:「低価格」「業界最安級」といった表現で期待値を作ると、LPで金額が分からない落差が大きくなります
  • 価格を調べている検索語をどう扱うか決める:「費用」「相場」「料金」を含む検索は、価格を出しているLPでは有効に働き、出していないLPでは離脱が増えます。出さない方針なら、これらの語を除外するかLPを分ける判断が必要です

検索語の絞り込みはGoogle広告の除外設定まとめ|キーワード・地域・オーディエンス・配信面で無駄な費用を止める、広告とLPを一体で見る考え方は広告運用とLP改善はセットで考えるべき理由|成果を最大化する一体型運用を参照してください。

どう検証するか

価格表示の変更は、ボタンの色を変えるような小さな検証とは性質が違います。CVRだけを見ると判断を誤るため、次の4つを並べて見てください。

見る指標価格を出したときの一般的な動き読み方
LPのCVR下がることが多い単体では良し悪しを判断しない
商談化率(問い合わせ→商談)上がることが多い予算が合う相手が増えたかを見る
平均受注単価示した価格帯に寄る下限だけ示すと単価が下がりやすい
商談1件あたりのコストここが最終判断広告費 ÷ 商談件数で比較する

アクセスが少ないLPでは、同時に2パターンを出すA/Bテストは成立しないことがほとんどです。その場合は期間を分けて比較するか、訴求ごとにLPを分けて運用します。判断の目安はアクセスが少ないLPでA/Bテストは意味がある?中小企業向けの判断基準と進め方LPは1枚で足りる?訴求別・ターゲット別にLPを分ける判断基準と運用設計にまとめています。

1か月で結論を出さないでください。商談化率と受注単価は、問い合わせが商談・受注に進むまでの時間差があるため、最低でも1商談サイクル分は待つ必要があります。CVRだけが先に動いて見えるため、ここで戻してしまう判断が最も多い失敗です。

価格表示チェックリスト

公開前に確認する項目

出す場合

  • 含まれないもの(実費・オプション・初期費用)を併記しているか
  • 税込・税別の表記がページ内で統一されているか
  • 注釈がスマホ表示で読める大きさになっているか
  • 金額が動く要因を、金額の近くに書いているか
  • 示した価格帯と実際の平均受注単価が乖離していないか

出さない場合

  • 金額が決まる要素を3つ以上書いているか
  • 見積もりまでの流れと日数を明示しているか
  • 金額に近づける次の導線(診断・資料)を置いているか
  • 広告文で価格を匂わせる表現を使っていないか

検証

  • CVR・商談化率・平均単価・商談単価の4つを並べて記録しているか
  • 判断の時期を、1商談サイクル後に設定しているか

LnXの見解

価格を載せるかどうかの相談を受けたとき、最初に確認するのは「今、問い合わせのうち何件が予算不一致で終わっているか」です。この数字を持っていない会社が大半で、持っていないまま「載せると問い合わせが減る」という感覚だけで議論しているケースがよくあります。予算不一致が3割を超えているなら、価格を出して件数が減っても、営業の稼働あたりの成果はほぼ改善します。

もうひとつは、価格の書き方が「営業がその後に話すこと」と揃っているかです。LPに下限価格だけを書いて、商談ではその3倍を提案する運用は、短期的にCVRを稼げても商談の入り口で信頼を削ります。LPに書く価格は、営業が最初の30分で説明する内容の要約であるべきだと考えています。

広告からLPまでを一体で見ると、価格表示は「LPの中の一要素」ではなく、どの検索語に出すか、どんな期待値で送り込むかまで含めた設計の問題になります。この範囲をまるっと巻き取ってほしいということであれば、広告運用代行としてご相談いただけます。

よくある質問

Q 料金を載せると問い合わせは必ず減りますか?

減ることが多いですが、必ずではありません。相場より安い、あるいは相場並みで内容が明確な場合は、件数が変わらないか増えることもあります。重要なのは件数の増減ではなく、商談に進む割合と受注単価が同時にどう動いたかです。

Q 個別見積もりの商材でも価格は書けますか?

書けます。定価がなくても、金額が動く要因(対応範囲・期間・分量など)とレンジ、あるいは前提条件つきの価格例であれば示せます。「お問い合わせください」だけのページより、読み手が自分で判断できる材料が増えます。

Q 「〇〇円〜」と下限だけ書くのは有効ですか?

下限と実際の中心価格が近い場合は有効です。2倍以上離れている場合は、商談で金額を伝えた時点での離脱が増えるため、レンジや価格例に切り替えるほうが結果的に効率が良くなります。

Q 価格表示を変えた効果は、何を見て判断すればよいですか?

LPのCVR、商談化率、平均受注単価、商談1件あたりのコストの4つを並べて見てください。CVRだけを見ると、質の改善を悪化と読み違えます。判断は最低でも1商談サイクル分の期間を置いてから行ってください。

Q キャンペーン価格をLPに載せ続けても問題ありませんか?

期間限定と書いた価格を常時掲載する運用は避けてください。期間を明記し、終了後は実際に元の価格に戻す運用にします。比較対照として示す価格には、説明できる根拠が必要です。

Q 制作を外注したLPの価格表示でも、責任は自社が負いますか?

表示の責任を負うのは、商品・サービスを供給する事業者、つまり広告主です。制作会社が用意した文言でも、確認せずに公開すれば自社の表示になります。金額まわりの文言は根拠資料とセットで社内に残しておいてください。

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