この記事でわかること
- 従来のSEO会社とAIO・LLMO対策会社の実務上の違い
- 「AIO対応します」の中身が会社ごとに大きく異なる理由
- 発注前に確認すべき7項目と、具体的な聞き方
- 提案書で施策の具体性を判断する方法
- 成果保証をうたう業者をどう見るか
- 外注せずに自社でできる範囲
SEO会社とAIO会社は何が違うか
結論から言うと、目指す状態が違うだけで、土台となる作業は大きく重なります。従来のSEOは検索結果で上位に表示されることを目指し、AIO・LLMOはChatGPTやGoogleのAI Overviewsといった生成AIの回答内で引用・参照されることを目指します。
ただし、AIが参照する情報源の多くは検索結果の上位にあるコンテンツです。そのためSEOの基礎ができていないサイトが、AIO施策だけで引用されるようになることは基本的にありません。この点は押さえておく必要があります。
そのうえで、AIO特有の施策として次のようなものが加わります。
- 構造化データの実装:Article・FAQPage・BreadcrumbListなどで、AIが解釈しやすい形にする(AIに正しく読ませる構造化データの実装)
- 問いと答えが対応する構成:見出しを疑問形にし、直下に結論を置く書き方
- エンティティの明確化:会社・著者・サービスが何者かを機械可読な形で示す
- 引用されやすい一次情報:他所にない数値・事例・手順
「AIO対応」の中身は会社ごとに違う
現在、多くのSEO会社・コンテンツ制作会社が「AIO対応」を打ち出しています。ただしその中身には大きな幅があります。実務上、次の3つのレベルに分かれます。
| レベル | 実際にやること | 見分け方 |
|---|---|---|
| 記事の書き方だけ変える | 見出しを疑問形にし、結論を先に書く | 技術的な実装の話が出てこない |
| 構造化データまで実装 | 上記+Schema.orgの実装、内部リンク設計 | 実装事例やコードの話ができる |
| 計測まで含めて設計 | 上記+引用状況の計測とKPI設計 | 何をどう測るかを説明できる |
どのレベルが必要かは自社の状況によります。すでにコンテンツが充実しているなら実装と計測が中心になりますし、記事がまだ少なければ書き方から入ることになります。提案がどのレベルの話をしているかを見極めてください。
発注前に確認する7項目
- SEOの知見があるか:AIOだけを切り出して語る会社より、SEOとの関係を説明できる会社のほうが実務的です
- 構造化データの実装経験:どのスキーマを、どういう基準で実装するかを聞いてください
- 計測方法:AI検索での引用状況をどう確認するのか。ツールを使うのか、手動で計測するのか
- 一次情報の作り方:取材や社内ヒアリングの工程が設計に含まれているか
- 既存記事の扱い:新規制作だけか、既存記事の改修も含むか
- 成果の見方:何が何ヶ月目にどう変化したら成功と判断するか
- 作業範囲と実施主体:記事の入稿・実装作業はどちらが行うか
特に3番目の計測方法は、対応レベルがはっきり出る質問です。答えられない場合、施策の効果を検証する手段を持たないまま提案していることになります。
提案書のどこを見るか
提案書の具体性は、次の3点で判断できます。
- 自社サイトを見たうえでの指摘があるか:一般論のAIO解説だけで、現状分析がない提案書は要注意です
- 作業量が数字で書かれているか:「月●本の記事制作」「既存●記事の改修」といった量の明示があるか
- 優先順位が示されているか:全部やりますではなく、何から着手するかの順番があるか
提案時点で自社サイトの構造化データの実装状況やインデックス状況に触れている会社は、少なくとも事前に調べています。
避けるべき業者の特徴
次のいずれかに当てはまる場合は、慎重に判断してください。
- 短期間での確実な成果を約束する:AI検索での言及が増え始めるまで、一般に3〜6ヶ月程度は必要とされています
- 「AI検索1位保証」をうたう:AI回答は生成のたびに変動するため、順位という概念が成立しません
- 施策の中身を説明しない:「独自のノウハウ」で具体を語らない場合、実態がないか、ガイドラインに反する手法の可能性があります
- AIを欺く手法を提案する:ユーザーに見えないテキストの埋め込みなど、検索エンジンのスパムポリシーに抵触する施策
- 記事の量だけを訴求する:本数を増やすこと自体は目的になりません(AI記事作成代行の選び方)
効果が出るまでの期間
AI検索での引用が増え始めるまでの期間は、一般に3〜6ヶ月程度とされています。ただしこれはサイトの状態によって変わります。
| サイトの状態 | 目安 | 先に効く施策 |
|---|---|---|
| すでにSEOで上位表示されている | 1〜3ヶ月 | 構造化データ実装、既存記事の改修 |
| 記事はあるが検索流入が少ない | 3〜6ヶ月 | 内部リンク設計、記事の統合とリライト |
| メディアを立ち上げたばかり | 6ヶ月以上 | そもそもの記事制作とインデックス獲得 |
この期間の見立てを提案時に説明できるかも、判断材料になります。
費用の考え方
金額そのものより、その費用で毎月何が行われるかを確認してください。同じ月額30万円でも、記事4本の制作なのか、記事2本と既存20記事の改修なのかで中身は全く違います。費用相場の詳細はAIO対策(LLMO)の費用相場にまとめています。
投資判断の考え方はコンテンツSEOは費用対効果が合わない?も参考にしてください。
外注せずにできること
発注を検討する前に、自社でできる範囲を把握しておくと、依頼範囲を適切に絞れます。次の3つは社内でも着手できます。
- 現状の引用状況を確認する:主要な検索語で実際にAIに質問し、自社が引用されるかを見る(ChatGPTやAI概要に自社が引用されているか確認する方法)
- 構造化データの実装状況を確認する:リッチリザルトテストで既存記事をチェックする
- 一次情報の棚卸し:自社にしかない数値・事例・手順を洗い出す
この3つを済ませてから相談すると、提案の精度が上がります。
LnXの見解
AIO対策の会社選びで最も重要なのは、その会社が自社のメディアで実践しているかだと考えています。この領域はまだ手法が確立しておらず、社内で検証していない会社は一般論の提案にならざるを得ないためです。
LnXでは自社のオウンドメディアで、記事構成の設計から作成・入稿、SEOレポートまでをAIの定常タスクとして実装し、約3ヶ月で113記事を入稿しました。その結果、ページ表示回数は約7倍、問い合わせは約15倍、生成AIからのインプレッションは約7倍、AIOスコアは91点という状態まで到達しています。
この過程で分かったのは、AIO対策として特別なことをするより、SEOとAIOを同時に満たす設計を最初から入れておくほうが結果的に早いということです。構造化データも内部リンクも一次情報も、どちらか一方のためだけの施策ではありません。ご相談いただく際は、この検証で得た手順をそのままお渡ししています。
よくある質問
Q いま依頼しているSEO会社にAIO対策も頼めますか?
対応できるかは会社によります。判断材料としては、構造化データの実装経験があるか、AI検索での引用状況を計測する手段を持っているか、この2点を聞いてみてください。SEOの土台はAIOでも引き続き必要なため、既存の会社が対応できるならそのほうが施策の一貫性は保てます。できないと回答された場合に、初めて別会社を検討する順番が現実的です。
Q AIO対策だけを単独で依頼することはできますか?
可能ですが、推奨はしません。AI検索が参照する情報の多くは検索結果の上位にあるコンテンツであり、SEOの土台がない状態でAIO施策だけを行っても効果が限定的になります。既存メディアがすでに一定の評価を得ている場合は、AIO特化の改修だけを切り出す意味がありますが、そうでなければ両方を同じ設計思想で進めるほうが効率的です。
Q 「AI検索で1位を保証」という提案をどう判断すべきですか?
AI検索の回答は同じ質問でも生成のたびに変動し、順位という概念自体が従来の検索と異なります。保証できる性質のものではないため、この種の提案は根拠を確認してください。何をもって1位とするのか、どのプロンプトで、どの頻度で計測するのかを聞けば、実態のある指標かどうかが判別できます。
Q 費用相場はどのくらいを見ておけばよいですか?
支援範囲によって大きく変わります。構造化データの実装や既存記事の改修といったスポット対応であれば数十万円規模、記事制作を含む継続支援では月額15万円から50万円程度が一つの目安です。詳しくはAIO対策(LLMO)の費用相場の記事にまとめています。金額より、その費用で毎月何本・何時間の作業が発生するのかを確認してください。
Q 社内に担当者がいなくても依頼できますか?
依頼自体は可能です。ただし、自社の商品・サービスに関する一次情報を提供できる方は最低1名必要です。AI検索に引用されるコンテンツは、他所にない情報を含んでいるかが分かれ目になるため、外部だけで完結させると一般論の記事になりがちです。月に数時間、取材に応じられる方を確保できるかを目安にしてください。
Q 契約期間はどのくらいが妥当でしょうか。
効果の判断には最低でも3〜6ヶ月が必要なため、その程度の期間を前提とした契約は合理的です。確認すべきは期間の長さより、その間に何を報告してもらえるかです。月次でどの指標を追い、何ヶ月目に何を評価するのかが決まっていない契約は、期間が短くても長くても判断ができません。